5/19川口ブックマーケットに出店します

5/19の川口ブックマーケットに「書肆ヘルニア」の屋号で出店します。

川口ブックマーケットへの出店も3回目ですが、いつもと変わらない品揃えでお待ちしています。

天気予報を調べたら当日は天気が悪いようなのですが、雨天の時は場所を変更して開催しますのでどうぞよろしく。

khitohako.blogspot.jp

というわけで宜しくお願い致します。

読書メーターまとめ(2018年4月)

4月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1860
ナイス数:10

噂は噂 壇蜜日記4 (文春文庫)噂は噂 壇蜜日記4 (文春文庫)感想
2018年刊行。これで終わりかもしれないと思うと淋しい。「この仕事は嫌いではない。ただ向いていないとは思う」という文章もあれば、「朝から床の上で原稿を書く。見てるか。これが本当の枕営業だ」という文章があるところがたまらない。
読了日:04月30日 著者:壇 蜜
デービッド・アトキンソン 新・生産性立国論デービッド・アトキンソン 新・生産性立国論感想
2018年刊行。人口減少によって日本は否応なく生産性を向上させなくてはならない、ではどうするか、ということで「高品質・相応価格」「女性の活用」「最低賃金の上昇(とそれに対応できない企業の淘汰)」を提案している。経済規模を維持しないと社会福祉が保てず「親を見殺しにする国になる」と言っているのはごもっとも。
読了日:04月21日 著者:デービッド アトキンソン
三文役者の待ち時間 (ちくま文庫)三文役者の待ち時間 (ちくま文庫)感想
2003年刊行。中断は挟むものの1977年~1983年までのジャズ、ミステリ、映画撮影の記録。もっともジャズ、ミステリ、映画に興味のない私には「もっともオレたちはマチガイダラケの国家に住んでいるんだから、こんなマチガイなんかどうでもいいか」(P.52)とか、「なんでもついでや、生きるもついで死ぬるもついで」(P.274)なんて言葉に惹かれるのです。それにしてもこういう言葉を書く俳優とか文化人っていなくなったような気がする。良識的な発言をするのが正しい文化人みたいな感じになっている気が。
読了日:04月16日 著者:殿山 泰司
考える耳 記憶の場、批評の眼考える耳 記憶の場、批評の眼感想
2007年刊行。音楽を補助線にして社会について語る音楽時評というコンセプトはいいと思うのですが、モーツァルトのイメージ(神話)批判のオチが紋切型の与党批判だったりするので、これなら社会時評部分は無かった方が良かったのではと思ってしまいました。
読了日:04月11日 著者:渡辺 裕
慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り―漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代 (新潮文庫)慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り―漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代 (新潮文庫)感想
2011年刊(親本は2001年)。同じ年に生まれた文学者七人の青春と時代を描いているが、日清戦争前で終わっているのでまだ漱石は作家になっていない。ただ著者の興味は日本という国がふにゃふにゃだった明治初期とその頃に生まれた文学者達の肖像にあったと思うので、尻切れトンボでも仕方がないのかなとは思う。彼ら七人に加えて、内田魯庵田山花袋泉鏡花も出てくるのでものすごく濃い。それにしても、彼らが同時代に生まれてなかったら、我々が知っている彼らになったのだろうか、と偶然というものについて考えてしまう。
読了日:04月09日 著者:坪内 祐三

読書メーター

読書メーターまとめ(2018年3月)

3月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:2451
ナイス数:5

すべてのJ-POPはパクリである (~現代ポップス論考)すべてのJ-POPはパクリである (~現代ポップス論考)感想
2014年刊。正直なところ冒頭の現代社会論みたいな文章は本人の実感以外のデータはないし、歌詞やコード分析もあまり目新しさは感じられませんでしたが、最後の「日本のポップスはすべてノベルティー・ソングである」という仮説は面白く、どちらかというとこちらをメインにしてほしかった感はあります。ただ「日本人は『人格』の部分に過去をさかのぼった歌い手の成長物語などの『文脈』を含めて作品を楽しんでいます」というのは自分でも実感はしますが、これって日本人だけのものなの?
読了日:03月31日 著者:マキタスポーツ
日本音楽の再発見 (1976年) (講談社現代新書)日本音楽の再発見 (1976年) (講談社現代新書)感想
1976年刊行。論点が多岐に渡り、自分でも未整理なので再読したい。しかし、「日本人が西洋音楽(ここではクラシック)を演奏する意義は何か」という問題は、西洋音楽を別のものにしても通じる気がする。
読了日:03月27日 著者:団 伊玖磨,小泉 文夫
怠惰の美徳 (中公文庫)怠惰の美徳 (中公文庫)感想
2018年刊。タイトルだけ見るとグータラな随筆ばかりが収められているように思えますが、実際にはそういう随筆は少なめ。個人的には「衰頽からの脱出」といった社会批判、日本批判が現代日本にも通じていて、そういう文章に魅力を感じました。ただこの作家が信用できるのは、上から目線ではなく、自分が批判しているものに魅力を感じていることに自覚的であることです。自分が俗物であるという意識を捨てなかったからこそ、そのような視線を持てたと思いますし、もし勤勉だったらそんな視線を持てたかどうか。
読了日:03月23日 著者:梅崎 春生
誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち (ハヤカワ文庫 NF)誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち (ハヤカワ文庫 NF)感想
2018年刊(親本は2016年刊)。音楽産業の変化をMP3開発者とCDプレス工場で働く労働者、大手レコード会社のCEOを軸に描き出しているが、様々な偶然が絡み合ってこのような変化が起きたのかと勉強になったし、それ以上に読み物としてものすごく面白かった。それにしてもCDから配信への変化に気づくと一気にビジネスモデルを変えてしまうところは、やっぱりアメリカはすごいというか抜け目ないというか。ネット社会を語る上でも欠かせない1冊だと思います。
読了日:03月18日 著者:スティーヴン ウィット
TYPE-MOONの軌跡 (星海社新書)TYPE-MOONの軌跡 (星海社新書)感想
2017年刊。那須きのこ・武内崇の出会いから『FGO』に至るTYPE-MOONの歴史をざっと見るにはいいのかもしれません。ただ彼らのファンではない私には「彼らの作品にファンが熱狂するのは、彼らの作品が魅力的だからだ」以上のことは書かれていない気がしました。例えば那須きのこが安易なクロスオーバーを嫌うという文章の後に、「TYPE-MOONのクロスオーバー作品は最大限にファンを楽しませるように世界観を交差させるからファンが熱狂する」と書かれてもサッパリ分からない。ファングッズの一種と考えるのが妥当。
読了日:03月15日 著者:坂上 秋成,武内 崇
ファンベース (ちくま新書)ファンベース (ちくま新書)感想
2018年刊。『ファンダム・レボリューション』の日本版、マーケティング版という感じで、事例が身近な分、興味深く読むことができた。新規顧客よりも今いるファンに向けてどう届けるかを書いていて参考になった。今後はどのようなジャンルや職種であれ、ファンを意識していかないといけないのではと思ったり。あと本書のメインテーマとはずれるのだが、ネットが大都市圏以外ではあまり活用されていないのが驚きだった。そういうところではテレビ広告などのマス媒体が効きやすいという指摘にも納得。
読了日:03月13日 著者:佐藤 尚之
賢い組織は「みんな」で決める:リーダーのための行動科学入門賢い組織は「みんな」で決める:リーダーのための行動科学入門感想
2016年刊行。タイトルだけ見ると「みんなの熟議で意思決定しましょう」という内容に思えるが、心理的バイアスや思い込み、評判プレッシャーなどの要素で熟議の結果、さらに極端に走ったり過度に楽観的になる可能性があるから、そうならないようにやり方を考えましょうという内容。実体験に基づくものより実験内容の照会が多いため、個人的には分かりにくく感じた。内容を理解したかはアヤシイ。先日読んだ『決定力!』とも通じる部分があり、併せて読み返したいところ。
読了日:03月11日 著者:キャス・サンスティーン,リード・ヘイスティ
決定力! ――正しく選択するための4つのステップ (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)決定力! ――正しく選択するための4つのステップ (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)感想
2016年刊行(親本は2013年刊行)。意思決定を下すときに陥りがちな4つの罠、「視野の狭窄」「思いこみ」「一時的な感情」「自信過剰」を回避するために「選択肢を広げる」「仮説の現実性を考える」「決断の前に距離を置く」「誤りに備える」ことで、より賢明な意思決定をできるよう提案している。こういう本を高校時代に読みたかったなぁと思うのですが、それはともかく、このような行動科学や脳科学の本を読むと「人間は思った以上に頭が悪く、合理的でもなければ客観的でもない」と思うので、そういう認識の上で行動したいな、と思う。
読了日:03月06日 著者:チップ ハース,ダン ハース

読書メーター

3/18みちくさ市出店報告

3/18のみちくさ市に出店しました。わめぞの皆様、大家さん、来てくださったお客様、ありがとうございました。

当日は天気予報だと16℃くらいあったはずなのですが、曇り空のせいかやたらと寒かったです。本当に15℃以上あったのかしらん。

今回売れた本は以下の通りです。

  1. アニメーション学入門
  2. ハイスクール1968
  3. 素敵なダイナマイトスキャンダル
  4. 福田恆存文芸論集
  5. 演劇入門
  6. 豆腐屋の四季
  7. ペンテジレーア
  8. ミヒャエル・コールハースの運命
  9. 男子の貞操
  10. アメリカの影
  11. ナリワイをつくる

11冊、2600円の売上ですから出店料分は売ったことになります。ただ事前の目論見では講談社文芸文庫で出店料2000円分を稼ぎ、それ以外の本で利益を出すはずだったのですが、前者はともかく、後者は売れると思って持って行った単行本や文庫が出なかったため全くの失敗に終わりました。上手くいかないものです。

そういえば2名くらいのお客様から「店舗はどこにあるんですか」と聞かれたのですが、もしかしてデパートなどで開催されている古書市と同じだと思われていたのだろうか。

ミリオンリリイベ昼の部に行きました

表題にもありますが、『アイドルマスターミリオンライブ』のリリイベ昼の部にに行きましたので、感想などを思い出せる範囲でつらつらと書きます。

物販と入場

物販の開始が12時30分からで、私が会場に到着したのが11時30分ごろ。その頃には結構な列ができていて、2時間くらい並びました。TシャツとMS07のマフラータオル、パッチンバンドを購入。お金を下ろし忘れたのに並んでから気づいたので、MTG05のマフラータオルは断念しました。

昼食をとってから新宿駅のコインロッカーにリュックを入れようとしたのですが、祝日のためか空いているロッカーが見つからず、まぁ会場にもコインロッカーはあるからいいかと思って、結局リュックを背負ったまま会場へ行きました。

15時から入場開始。整理番号が200番台だったので割と早く入ることができました。で、リュックをコインロッカーに入れようとしたのですが、コインロッカーが小さい。自分のイメージでは駅にあるようなのを想像していたのですが、それよりも二回りくらい小さい感じで、無理やり突っ込みましたがもっと探しておけばよかったと後悔。

前説

ランティスの保坂Pによる前説。「4月になってもランティスのえいちPです」とランティスバンダイビジュアルの合併ネタで笑いを取っていました。あとはグッズの販促。ところで初めてえいちPを見たのですが、思っていたよりも若いというか、調べてみたらまだ20代でした。20代でプロデューサーってすごく優秀なんじゃ。

曲について

16時スタート。自己紹介から村川さん、野村さん、田村さんがうるさい。2/3が同じ事務所だ。司会は原嶋さんと山口さん。

曲について、まずMTG05組から。なんでも設定資料集があったそうで客からは「見たい」コール、小岩井さんからは「見せたい」という発言があるもスタッフNG。原嶋さんが「ポロっと言えばいいんじゃないの」というような発言もしてましたが、やっぱりNG。ところが山口さんがどこかから設定資料にあった煽り文のメモを取り出してきて読んだのですが、永遠とか退廃とかそんな感じの単語があった事以外覚えていない。

続いてMS07組ですが、村川さんは曲名の話がメインで、曲については日曜日のミリラジ特番で語ったとのこと。

原嶋さんも曲については特番で話したそうですが、ここでも曲名の話。「タイトルを『どきどきシーソー』と間違っている人がいるけど、『ときどきシーソー』だからね」と言っていて、村川さんが「反省しろよ」と続けて、田村さんが「すみません」と謝る展開に。朝の打ち合わせから間違えていたそう。なお私も『どきどきシーソー』だと思ってました。

田村さんは冒頭の吐息がすごく難しく、だんだん「はぁー!」といった感じになってしまったとか。文字だと分かりにくいのですが、吐息を吹きかけるのではなく、格闘家が気合いを入れるような感じ。あと頭の中でまとまってるから大丈夫と話していたのに、作詞、作曲、編曲の方の名前がごちゃごちゃになっていて、本当にまとまっているのかというツッコミがありました。

ミニコーナー

山口さん、原嶋さん、野村さん、小岩井さん、村川さん、藤井さん、田村さんの順番。山口さんは「学校の卒業式で」というお題を引いて、莉緒姉は卒業してるのにと言ってから自分が演じる莉緒姉を引くという見事なフラグ処理でした。そして終わってスッキリしたのか、ノリノリで進行していたのも面白かったです。

個人的にはやたらと動きがうるさい村川さん、「どうして俺たちを殺そうとするんだ」という自分が演じた役のせりふでうまく締めた藤井さん、「リンゴ畑で」「深呼吸する」「木下ひなた」と実に美味しいお題だったのにレコーディングの吐息の話をひなたで演じる田村さんが面白かったです。

ミニライブ

曲順は下記の通り。

  1. 『Take!3.2.1.→S・P・A・C・E↑↑』(村川さん)
  2. 『ときどきシーソー』(原嶋さん)
  3. 『スノウレター』(田村さん)
  4. 『昏き星、遠い月』(藤井さん、小岩井さん、野村さん、山口さん)
  5. 『Brand New Theater!!』(全員)

やっぱり『昏き星、遠い月』は至近距離でもいいのですが、大舞台で舞台装置を使ったものも観たいです。演者の方の負担が大きくなりそうな気もしますが、段差を使った演出でも面白そう。

ソロ曲ですが、『Take!3.2.1.→S・P・A・C・E↑↑』はコールを覚えるとすごく楽しそう。『ときどきシーソー』は腕を伸ばしてシーソーみたいにやる振付が印象的でした。『スノウレター』については、自分が担当だからか、見逃さないようにしようとか思い過ぎて、逆に入り込めなかった感じがするのが悔しい。なんかすっぽり記憶が抜けてるんだよなぁ。何でさ。

ソロ曲についてはみなさん「完成度を上げたい」というようなことを言っていたので5thライブが楽しみですね。5thでやりますよね……?

あと『Brand New Theater!!』では原嶋あかりさんがセンターだったのですが、原嶋さんってものすごく動きますね。そういう話は聞いていたにもかかわらず、ライブBDを見てもピンと来てなかったのですが、生で見ると『ミリシタ』より動いている感じがしました。

以上です。

おまけ

会場のフラスタの写真。

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木下ひなた担当になった話

アイドルマスターミリオンライブ! シアターデイズ』(以下『ミリシタ』)にて初めて取った担当の称号は「木下ひなた担当」でした。

で、ツイートにもありますが、自分でも予想外だったので、こういうことになった経緯を書こうと思います。というか、友好度じゃなくて親愛度だ。

さて木下ひなたですが、 『ミリシタ』の情報を集めていた時にはそんなに気になる存在ではありませんでした。というのは正確ではなく、正確に言うと全く気にも留めなかったというのが正しいです。 

それがコミュ2、3と見て印象が変わりました。まずコミュ2でのこのやりとり。

 

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これを見て「自分が思っていた印象と違うなぁ」と感じたんですね。まぁ、ぶっちゃければ「この子、悩むんだ」ということで、純朴とかいい子という言葉に引っ張られてそつなくこなせると思っていたので、ギャップに興味を持ったというか。

で、とどめがコミュ3。

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これを見て思ったのは「彼女はただ純朴ないい子だけではなく、内面は意志がものすごく強い、頑固な子なんじゃないか」ということでした。twitterにも書いたのですが、そもそも純朴な子が初めてのライブに家族を呼ばないという選択をするかなぁ、と思うんですよ。純朴な子だったら、むしろ初めてのライブを家族に見せたいと思うんじゃないかなぁと。

だから内面的には静香、志保に近いんじゃないかと思うのです。もっとも静香と志保はプロ意識が高く、それに自覚的でもあるので、ひなたと静香、志保が内面的に近いという意見はあくまで私の主観です。

あと、私がひなたに惹かれたのは「純朴な部分とその裏にある強い意志」という部分なので、果たしてGREE版の『ミリオンライブ!』からやっている人からすると納得していただけるのかという気持ちもあります。とはいえ、自分が惹かれたのは『ミリシタ』で描かれたひなたなので、「違う」と言われても困る部分はあるし、だったらあなたも魅力を語ってくださいよとも思うのですが。

 

さて、そんな木下ひなたの新曲『スノウレター』が収録された『M@STER SPARKLE 07』は3月7日発売です。聴きましょう。


【アイドルマスター ミリオンライブ!】「スノウレター」試聴動画

 

読書メーターまとめ(2018年2月)

2月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1835
ナイス数:4

現代「死語」ノート (岩波新書)現代「死語」ノート (岩波新書)感想
1997年刊行。「死語」といっても著者の感覚が基準になっているので、本当に死語なのか分からない言葉もある。「死語」をテーマに戦後史を語るという感じもするが、今の文化人のダメなところ(経済批判、反成長、土建屋批判)が出てきてゲンナリさせられた。こういう言説を読んだ人が似たような主張をするのだろうな、と思いますが、「<豊か>になった日本の大衆は怒りを失った」と書かれてもなぁ。その怒りとやらで何か事を成すことはできたんですか、と思ってしまいました。
読了日:02月27日 著者:小林 信彦
道化師のためのレッスン道化師のためのレッスン感想
1984年刊行。80年代、70年代、60年代に書かれた文章が収められている。個人的には糸井重里との対談と60年代に書かれた「俗流<放送批評>を斬る」が面白かったのですが、これは今の自分が興味を持っているのは作品の中身や作者の思想ではなく、作品の受け手は如何に作品を語るべきかという事だからだと。それにしても「テレビの歴史ももう長いから、スレッカラシ風になってくるのが恰好いい、みたいな風潮があるんですよ」という30年前の言葉は今も変わってない気がします。
読了日:02月24日 著者:小林 信彦
性表現規制の文化史性表現規制の文化史感想
2017年刊行。性表現規制が上流階級や成年男子より道徳的、理性的に劣る労働者や女性を非難するためのものだったのが、時代が進み彼らの社会的地位が上昇すると庇護対象として「未成年/青少年/児童」が発見され、彼らを守るために性表現規制が必要とされた事が分かり勉強になった。人びとはいつも「自分は悪徳に触れても平気だが、他の人はそうではないため悪影響を受けるから規制して保護しないといけない」と考えがちなのでしょうという言葉が印象的でした。
読了日:02月20日 著者:白田 秀彰
脳には妙なクセがある (新潮文庫)脳には妙なクセがある (新潮文庫)感想
2018年刊行(親本は2012年刊行)。脳科学の様々な(当時)最新の知見を紹介したエッセイで、同著者の『進化しすぎた脳』と重なる部分もあるが、「楽しいから笑うのではなく、笑顔だから楽しいという逆因果」や身体感覚と脳の関係、脳は入力よりも出力を重視するというところは刺激的でした。
読了日:02月16日 著者:池谷 裕二
脱貧困の経済学 (ちくま文庫)脱貧困の経済学 (ちくま文庫)感想
2012年刊(親本は2009年刊)。アベノミクス前に行われた経済学者と作家の対談で、今2人が対談したら話がかみ合わないような気がしないでもない。ただ刊行されたときは金融緩和も財政政策もしてなかったので、当時の状況を知ることができました。もっとも指摘されている再分配政策や職業支援、生活保護バッシングは変わってないように思えますし、「携帯電話やパソコンを持ってるから貧乏じゃない」という話は今もあることを考えると、この本で書かれていることは終わったことではないとも思うのです。
読了日:02月07日 著者:飯田 泰之,雨宮 処凛
ファンダム・レボリューション:SNS時代の新たな熱狂ファンダム・レボリューション:SNS時代の新たな熱狂感想
2017年刊。事例が海外のものというのもあるが、私がそこまで熱心にファン活動をせず、ファンサークルにも参加してないのでイマイチピンと来なかったところはあります。同人活動やコスプレをしたり、オフ会をよく主催する人が読むとまた違うのかもしれません。ただ第6章のクラウドファンディングのところは『この世界の片隅に』のクラウドファンディングに参加したからか、よく分かると言いますか、豪華なお礼がないやり方は正しかったのだなぁ、と。
読了日:02月03日 著者:ゾーイ フラード=ブラナー,アーロン M・グレイザー

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