読書メーターまとめ(2019年9月)

9月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:714
ナイス数:3

ギターは日本の歌をどう変えたか―ギターのポピュラー音楽史 (平凡社新書)ギターは日本の歌をどう変えたか―ギターのポピュラー音楽史 (平凡社新書)感想
前半はギターの歴史で、後半は日本のポピュラー音楽とギターの関係について。戦前のハワイアンブームについては知らなかったので勉強になった。
読了日:09月20日 著者:北中 正和
ニッポンのうたはどう変わったか: 増補改訂 J-POP進化論 (平凡社ライブラリー)ニッポンのうたはどう変わったか: 増補改訂 J-POP進化論 (平凡社ライブラリー)感想
1999年に出た『J-POP進化論』の増補改訂版で、元本は未読。さて感想はとても難しかったので分かった感じがない。というのも音階やコードの話が多用されているが、その知識が私にはないのでピンと来ない。さらに本で取り上げられている民謡や童謡、歌謡曲へのなじみも薄いためタイトルを出されても頭に音楽が流れないためと推測。ただ興味深い指摘もあり、モータウンとヨナ抜き音階が同じであるとか、「カウンターカルチャー」は「対抗文化」ではなく「逆行文化」と訳した方がその後の高度消費社会とのつながりが整理しやすいとか。
読了日:09月16日 著者:佐藤 良明
50代からのアイドル入門50代からのアイドル入門感想
50代で乃木坂46からアイドル(主にハロプロ)にハマった著者によるアイドル入門。3年前の本なのでアイドルグループのメンバーとかチケット購入について違う部分は当然あるが、アイドル現場の雰囲気は分かってくる。個人的には巻末の嶺脇タワーレコード社長の「好きになるって、ときには努力が必要なんですよ」という言葉は名言だと思った。
読了日:09月04日 著者:大森 望

読書メーター

読書メーターまとめ(2019年8月)

8月の読書メーター
読んだ本の数:1
読んだページ数:222
ナイス数:3

AKB48の戦略! 秋元康の仕事術 (田原総一朗責任編集)AKB48の戦略! 秋元康の仕事術 (田原総一朗責任編集)感想
2013年刊行。当時ならともかく今読む意味があるのかと思いきや結構面白かった。「認知と人気は違う」とか「刺さるコンテンツでなければダメ」、「冷静になってくると『何が面白かったんだっけ』というのではリピーターを生まない」というのはまさしくその通りだなぁ、と。ただ「AKBはドキュメンタリーである」という考えは、事件や事故をドキュメンタリーの素材として扱ってしまうのではという危惧を持ったし、その結果がNGT48を巡る騒動に出てきてるのではと今となっては思ったり。
読了日:08月21日 著者:秋元康,田原総一朗

読書メーター

アイマスライブ演出家への言説について私が思うこと

アイマスライブについて「演出は前任者の方がよかった」みたいなコメントや発言を見るたびにどこかモヤモヤしたものを感じていたのです。

そんな私はミリシタから入って最初にリアルタイムで観たライブは『HOTCHPOTCH FEATIV@L!!』のライブビューイング、初現地は『BRAND NEW PERFORM@NCE!!!』。シンデレラは未見。

で、最近になってようやく原因が分かってきたので、それについて書きたいと思います。

1.そもそも初めて観たライブがJUNGO氏の演出である

ミリシタから入ったので私がリアルタイムで観たライブはJUNGO氏の演出によるものです。で、初めてアイマスのライブを観て楽しんだのに、「演出がクソ」とか「この曲をやらないからダメ」みたいな感想を見たら水を差された気分になって良い気分はしません。

もちろんライブBDを見れば過去の演出家のライブは見られます。ただライブBDと実際のライブでは後者の方が印象に残ると思うので、ライブに行きたいという感想は出るとしても現地のライブより素晴らしいにはならないと思います。

2.批判に対して思う事いくつか

私はミリオンしか知らないのでミリオンの話だけになるのですが、そもそも出番に偏りのあった3rdまでと、全員を偏りなく出す4th以降ではライブの作り方が違うと思うのです。それを考えたら例え前任者が戻っても同じライブ構成になるとは思えません。で、昔は良かったと言っている人たちはそこを考慮して批判してるのですか、と問いたいのです。

批評、批判するなとも全て絶賛しろとも思いません。ただ批評や批判するなら下記のリンクみたいにちゃんとやりなさいということです。

note.mu

note.mu

こう言ってはアレですが「あの曲をやらないからダメ」というのは批判でも批評でもない、ただの文句じゃないですか。演者の体力など内部のスタッフでないと分からない事情で披露できない曲もあるんじゃないかと思うのですが。

ちなみに私はセトリについてはこちらがどうこう言っても仕方がないと思ってるので、特定の曲をやらないことへの不満というのを感じたことがほとんどない。*1

というか、自分のやってほしい曲をやらないのが不満だったらリクエストライブの要望を出せばいいんじゃないですかね。すでに出してる人は要望を出してると思うし、運営がそれをやるか分からないけど。

3.JUNGO氏を安全なサンドバッグと思ってないか

『リスアニVol32.1』の座談会にはこのようにあります。(P.139)

保坂拓也「僕のミリオンライブ!への関わり方としては、レコードメーカーとしてCDを作ったりしてるんですけど、ライブでは音楽的な部分も含めて全体的な"企画構成協力"っていう立場でさせていただいています。音のこともそうですし、ライブの全体的な演出とか構成とかも含めて横から口出しをしているような感じです。」

JUNGO「自分は"リスアニ!LIVE"の映像を作っていた縁でミリオンライブ!に関わることになって、1stLIVEから映像を作っていました。2nd・3rdLIVEでは映像演出、4thLIVEkからは構成・演出に関わっています。内容的には中川さん*2や保坂さん、バンダイナムコエンターテインメントさんたちのいろんな意見を吸い上げて、ステージを作るためのまとめ役、みたいな感じですかね」

 これ読むとセトリや構成、演出を考えているのはJUNGO氏だけではないと思うんですよね。つまり文句のあて先が違う可能性だってあると思うんですけど、氏ばかりが叩かれるのは要は安全なサンドバッグとして見ているということではないでしょうか。でもそれってフェアではないよなぁ。

4. 昔を絶対視していないか

さて前任者が担当したライブはニコニコ大百科のコメントによると下記の通りとのこと。

  • 765AS…10thまで
  • ミリオン…3rdまで
  • シンデレラ…1stまで

これを見ると765ASはコンテンツがアニメや劇場版と拡がっていく時期に重なりますし、ミリオンもライブの規模がどんどん大きくなっています。

この規模が拡大していく時期の高揚感とライブの感想が入り混じって、その頃のライブを絶対視しているのではという気がしてしまうのです。

私は「コンテンツやジャンルにハマる時期とコンテンツやジャンルに勢いがある時期が同じだと、勢いが落ち着いてきたときに物足りなくなる」という持論を持ってまして、2000年代初頭には今のエロゲーはつまらないと言っている人がいました。2年前には私の同年代で今のJ-POPはクソみたいなことを書いている人がいました。

togetter.com

結局のところ基準がその頃のままで全く更新されてないから文句しか言えないんじゃないんですか、という感じがするのです。

昔の方がよかったというなら、ライブに行って腹を立てるよりお家で昔のライブBDを見てた方が幸せですよ?

 

ぐだぐだ書いてきましたが、8年前に一部のエヴァ好きが分からないということと書いてることが変わらないのでは。

unterwelt.hatenablog.com

あと、いかんせん「文句言いながら居続けるの時間の無駄だし、嫌なら離れればいい。」という精神になりつつあるので、上の文章をまとめると「嫌なら来なきゃよくね?」になるのであった。オチは特にない。

*1:ほとんどと書いているのはどこかで口走った可能性もあるので

*2:BNSIの中川浩二

読書メーターまとめ(2019年7月)

7月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1097
ナイス数:15

大塚明夫の声優塾 (星海社新書)大塚明夫の声優塾 (星海社新書)感想
声優大塚明夫と所属事務所社長(当時)納谷僚介が声優志願者に行った特別講義の模様をまとめたもの。技術は大事だがそれだけで売れるとは限らない。だから自分がどうなりたいかゴールを定めて、どうやって動くか考えないといけないというのは社会人の立ち居振る舞いもそうだよなぁ、と。あと人が発信したものをキャッチする力の重要性も説いていたが、これは声優業界に限らず人が社会で生きていくうえで必要な力なのではとも思ったりしました。
読了日:07月25日 著者:大塚 明夫
プログラミング教育はいらない GAFAで求められる力とは? (光文社新書)プログラミング教育はいらない GAFAで求められる力とは? (光文社新書)感想
2020年からプログラミング教育を始めるのに挑発的な書名だが、内容は「コーディング技術を教えるプログラミング教育は不要だが、論理的思考力や問題解決力、コミュニケーション能力といったプログラミング的思考を教えることは必要」という主張でした。で、今は住んでる地域や親の資金力で格差が出てくるから国としてきちんとやれとも。しかし未だにリスクが多い組体操をやらせる学校にこういう教育ができるのか。親が受け入れるのかという気はする。話は変わるが、IT志望の就活生が読んでも面白いと思う。
読了日:07月17日 著者:岡嶋裕史
鮎の宿 (講談社文芸文庫)鮎の宿 (講談社文芸文庫)感想
師・志賀直哉の臨終や葬儀にまつわる話から文士との交流、旅や食、時事問題についての随筆をまとめたもの。文士との交流では遠藤周作とのやり取りが非常に下らなく、そして面白かった。「『不眠不休の努力』はほめ言葉になっているけれども、その結果過度の緊張状態が欲も得も忘れさせてしまったら大変だ」(P.196)という文章が印象に残った。
読了日:07月15日 著者:阿川 弘之
目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】感想
日本経済が成長しないのはデフレだからである。にもかかわらず、デフレ対策をすべきところでインフレ対策ばかりしていた。今こそデフレ対策をしなければならないということで、「政府は大きくして社会保障にお金を回す」「産業は保護する」「グローバリゼーションも×」という主張を展開。これには驚いたが(規制緩和が成長につながると思っていたので)、それ以上に驚いたのはMMTという理論でバルファキスの本で語られていたことってこういうことだったのか、と。
読了日:07月08日 著者:中野 剛志

読書メーター

読書メーターまとめ(2019年6月)

6月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1396
ナイス数:14

「反緊縮! 」宣言「反緊縮! 」宣言感想
反緊縮とはどのような政策で何を目指すのかが分かりました。お金を教育や福祉、子育て、インフラに投資することで需要を作り出し、景気回復や雇用を生み、増税をしないものと理解。接客業をしていた時に「誰かがお金を使ってくれないと自分の使えるお金が増えない、もしくは減ってしまう」ということを痛感したので、この手の政策は実感として納得できる。そう、景気が悪いからお金は使わないようにしようとすると、ますますお金が減るんですよ! ただマネーサプライやマネタリーベースのところはきちんと勉強する必要があるなぁ。
読了日:06月25日 著者:松尾 匡,池田 香代子,井上 智洋,梶谷 懐,岸 政彦,西郷 南海子,朴 勝俊,宮崎 哲弥,森永 卓郎,ヤニス・バルファキス,プログレッシブ・インターナショナル
世界の喜劇人 (新潮文庫)世界の喜劇人 (新潮文庫)感想
『世界の喜劇人』というタイトルですが、取り上げられているのはほとんどアメリカの喜劇映画。とはいうものの、第2部の喜劇映画のギャグを列挙するところは「こんなことをするのは私ぐらいだろうから、私がやらないといけない」といわんばかりの念が見えて凄まじかった。それにしてもどこかで見たようなギャグが多いと思ったが、思い返すに『バックス・バニー』や『ロードランナー』あたりに似たようなギャグがあったかもしれない。あと芸は好きだがギャグは嫌いというチャップリン評も面白い。
読了日:06月20日 著者:小林 信彦
日記―十代から六十代までのメモリー (岩波新書 新赤版 (400))日記―十代から六十代までのメモリー (岩波新書 新赤版 (400))感想
著者の10代から60代までの日記で、後半は活字になったものからの抜粋。著者の価値観なのか、それとも時代全体の価値観なのかは分からないが、当時の考えが見えるところが面白い。それにしても昭和天皇を「徒食の民に過ぎない」と書いたり、「女性はどんなに頭がよくとも少なくとも50%はロマンチックな夢想家でなければならぬ」なんて文章を読むと今との違いに驚いてしまう。
読了日:06月12日 著者:五木 寛之
戦略読書日記 (ちくま文庫)戦略読書日記 (ちくま文庫)感想
経営学者による書評集。取り上げる本は経営者の自伝から経営学者の本、さらには井原高忠小林信彦まで。とにかく取り上げられている本を読みたくなるという意味で書評集として最高。ただそれだけでなく、「スキル」は見える化できるが「センス」は人によって千差万別で経営に必要なのは後者という話や、著者の体験と芸人の生き方を例に「センス」を見つけることの難しさ、趣味と仕事の違いなどが語られていて面白かった。著者の本業での書籍も読んでみようかと思う。
読了日:06月07日 著者:楠木 建

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6/16みちくさ市出店報告

6/16に開催されたみちくさ市に出店しました。わめぞの皆様、大家さん、来てくださったお客様、ありがとうございました。

 

当日は暑かったのでアイドルマスターミリオンライブ!×新日本プロレスコラボマフラータオルを持って行ったのです。ところがトイレに行く途中に首から落ちてしまい、どうしたものかと思っていたのですが、拾っていただいたどなたかが池田ビルの入り口辺りに引っ掛けてくれました。無事に戻ってきたのも親切などなたかのおかげです。本当にありがとうございました。

 ※コラボマフラータオルについては以下参照のこと。

shop.asobistore.jp

で、今回売れた本は以下の通り。

  1. 音盤時代の音楽の本の本
  2. 僕たちのインターネット史
  3. 政友会と民政党
  4. ハムレット役者
  5. 自転車の文化史
  6. 総特集 岡崎京子
  7. フリースタイル Vol. 30
  8. 思想の運命
  9. 夕凪の街 桜の国

計9冊、2500円の売上でした。まぁ、いつものみちくさ市の売上でした。

それにしても当日は暑かったです。私が出店した池田ビルは屋根みたいなものがありましたが、それでも風がないせいか途中で気持ち悪くなったりしたのでちょっとキツかったです。

次の出店は未定です。

読書メーターまとめ(2019年5月)

5月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1442
ナイス数:18

「しがらみ」を科学する: 高校生からの社会心理学入門 (ちくまプリマー新書)「しがらみ」を科学する: 高校生からの社会心理学入門 (ちくまプリマー新書)感想
ピグマリオン効果」や「予言の自己実現」といった理論の説明を通して社会がどのようにできるか、どうしていじめが無くならない(もしくは無くなるのか)といったことを解説。社会心理学の入門といった感じ、まぁ副題にもある通り入門書なのだが。
読了日:05月30日 著者:山岸 俊男
父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。感想
邦題は盛りすぎな感じもしますが、面白かったです。個人的には債務がなぜ必要なのか、そして経済における国の役割といったところが興味深かった。ただ最も大事なのは「誰もが経済についてしっかり意見を言えることこそ、いい社会の必須条件であり、真の民主主義の前提条件だ」(P.4)という箇所。大半の人の生活は経済というものに左右されてしまう以上(左右されないのはお金持ちくらいでしょ)、経済について勉強することは大事なのだと改めて思った。
読了日:05月26日 著者:ヤニス・バルファキス
「読まなくてもいい本」の読書案内 (ちくま文庫)「読まなくてもいい本」の読書案内 (ちくま文庫)感想
20世紀半ばから「知のビッグバン」と形容するしかない変化が起きているとして、その原動力となっている複雑系脳科学ゲーム理論、進化論の本や理論の紹介から、今後どのような社会になるかまでを書いている。人文系出身なのでフッサールヘーゲルをバッサリ切られるのは複雑ですが、「ここまで科学で分かってるのに、意識の哲学的考察なんて意味あるのか」と思うこともあるので、人文科学者ほどこの本と紹介されてる本を読んで自分たちは今後何をなすべきか考えるべきかと。
読了日:05月18日 著者:橘 玲
まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのかまぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか感想
人間は確率やリスクがキチンと分からない。あるリスクは過大評価するが、別のリスクは過小評価したりする。また、起きてしまった結果だけで判断したり、出した結果が運なのか実力なのか分からなかったりする。そのようなことが書いてある、はず。どこまで理解して読めているのか分からないが、そういうことを頭に入れておくだけでもいいのかなと思ったりする。あと『ファスト&スロー』は読んだ方がいいのか、やっぱり。
読了日:05月12日 著者:ナシーム・ニコラス・タレブ
実務家ケインズ―ケインズ経済学形成の背景 (中公新書)実務家ケインズ―ケインズ経済学形成の背景 (中公新書)感想
ケインズ経済学の背景を本人の実務経験から考察するという本で、私はケインズが実業家であった事すら知らなかったので面白かった。不確実性や期待、貨幣愛への考察や「経済学はモラル・サイエンスである」という言葉は後の行動経済学にもつながるのかなと思ったり。あと、過去に口汚く罵った政治家でも政策が正しいと思えば支持するといった、イデオロギーよりも実際の政策を優先するところに最も実務家らしさを感じました。
読了日:05月05日 著者:那須 正彦

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