読書メーターまとめ(2017年9月)

9月の読書メーター読んだ本の数:4読んだページ数:1492ナイス数:13地獄の映画館 (集英社文庫)の感想1960年代初頭に書かれた映画コラム。税関による事前検閲や事務所の意向を裏切ったスターを干す干さないとか、今でも通じる問題があるのに驚かされる。だか…

読書メーターまとめ(2017年8月)

8月の読書メーター読んだ本の数:6読んだページ数:1538ナイス数:14ボクたちはみんな大人になれなかったの感想ツイッターで人気の方だけにハッとする文章はあります。ただ小説としてみると、例えばスーとの出会いの場面は出来の悪い村上春樹のパロディみた…

燃え殻『ボクたちはみんな大人になれなかった』とDVD、もしくは1997年にDVDはあったのか問題

「D・V・D! D・V・D!」>挨拶 燃え殻『ボクたちはみんな大人になれなかった』という小説が売れています。内容はものすごくざっくり書くと主人公が1990年代後半を回想するというものです。で、売れているので読んでいたら、こんな文章がありました。 やけに…

読書メーターまとめ(2017年7月)

7月の読書メーター読んだ本の数:5読んだページ数:1586ナイス数:6近大マグロの奇跡: 完全養殖成功への32年 (新潮文庫)の感想マグロというと築地でやたらとでかいのがセリに出されるという印象だったので、稚魚の時は少し傷がついただけで死んでしまうとい…

読書メーターまとめ(2017年6月)

6月の読書メーター読んだ本の数:6読んだページ数:1614ナイス数:9不況は人災です! みんなで元気になる経済学・入門(双書Zero)の感想不況はなぜ悪いのか、なぜ経済成長が必要なのか分かったが、イマイチ分からなかったところもあった。しかし「左派や労…

読書メーターまとめ(2017年5月)

5月の読書メーター読んだ本の数:5読んだページ数:1341ナイス数:8戦前の生活―大日本帝国の“リアルな生活誌” (ちくま文庫)の感想一つ一つのトピックは面白そうなのだがあっさりと次の話題になってしまうので、コンビニにある雑学本のような感じで内容が薄く…

読書メーターまとめ(2017年4月)

4月の読書メーター読んだ本の数:4読んだページ数:1475ナイス数:8編集狂時代 (新潮文庫)の感想『王様のブランチ』でも有名な(だった?)編集者の半生記。掘れば掘るほど面白くなる気がするのに、どこか肩透かしを食らった感がするのはなぜだろうか。読了日…

読書メーターまとめ(2017年3月)

3月の読書メーター読んだ本の数:6読んだページ数:2281ナイス数:11フォーカスな人たち (新潮文庫)の感想黒木香、村西とおる、太地喜和子、尾上縫、細川護熙を取り上げたルポですが、著者は人物というよりも人物を通して時代を書きたかったのだろうなぁと思…

読書メーターまとめ(2017年2月)

2月の読書メーター読んだ本の数:6読んだページ数:1420ナイス数:12パパは神様じゃない (ちくま文庫)の感想第2子が生まれることになった著者が子供の成長を描いたユーモアスケッチを描こうとするも、時代の流れやらなんやらで結局ペシミスティックな小林信…

読書メーターまとめ(2017年1月)

1月の読書メーター読んだ本の数:7読んだページ数:1865ナイス数:10文庫解説ワンダーランド (岩波新書)の感想『図書』連載時から楽しんでいたので、書籍化されてうれしい。文庫にある「解説」を「解説」することで文芸批評、社会批評になっている1冊。『雪…

『Fate/Grand Order』と『チチカカコヘ』のコラボフェアを夢想する

『Fate/Grand Order』というアプリゲームがあります。どんな内容か手っ取り早く言うと山田風太郎『魔界転生』みたいなものです。 www.fate-go.jp さて紀伊国屋書店新宿本店でこのゲームにあわせた本を集めたフェアを行っているのですが、なんとフェア合わせ…

読書メーターまとめ(2016年12月)

12月の読書メーター読んだ本の数:5読んだページ数:1539ナイス数:7さあ、気ちがいになりなさい (ハヤカワ文庫SF)の感想「みどりの星へ」「ぶっそうなやつら」「雷獣ヴァヴェリ」と表題作が好みでした。特に「雷獣ヴァヴェリ」は物語の余韻が素晴らしく、ア…

8/6ひとつき十冊に出演しました

8/6にTweedBooksさんで行われたひとつき十冊に出演しました。当日取り上げた本は以下の通りです。 末次由紀「ちはやふる」32巻(2016/講談社) 吉本浩二「淋しいのはアンタだけじゃない」1巻(2016/小学館) 桃井涼太「艦これ4コマコミック 吹雪、がんば…

近況、あと、8/6ひとつき十冊に出ます

久しぶりの更新です。 最近ですが、下の動画がきっかけで『アイドルマスター ミリオンライブ』にはまりかけております。 『アイドルマスター』はXBOXでプレイしましたが、アニメは見ておらず、『デレマス』に至ってはプレイすらしていないのに、なんでそこら…

2015年の10冊

2015年に読んだ本から面白かったものを10冊あげます。 なお絶版本も含まれてますので、読みたかったら探してください。 ちなみに小説はほとんど読まなくなったのでありません。今年読んだフィクションは小林信彦『袋小路の休日』、シェイクスピア『リア王』…

古谷経衡『クールジャパンの嘘』の揚げ足どり(3)

批判するのに飽きてきた。 unterwelt.hatenablog.com unterwelt.hatenablog.com この本のダメなところを上げると 1.歴史的な間違いが多いのでは? になります。(2)で美少女ゲーム史の間違いを指摘しましたが、それ以外にも文化受容史も首を傾げるところが…

古谷経衡『クールジャパンの嘘』の揚げ足どり(2)

(1)はこちら unterwelt.hatenablog.com 前回の続きです。 著者によるとアニメには2種類あって「オタクの性欲を優先する作品=秋葉系」「そうではない、世界で評価され受け入れられる作品=中野系」だそうです。そんなラーメンみたいな分類をされても困るの…

古谷経衡『クールジャパンの嘘』の揚げ足どり(1)

古谷経衡『クールジャパンの嘘』が酷い本でした。 クールジャパンの嘘―アニメで中韓の「反日」は変わらない 作者: 古谷経衡 出版社/メーカー: 総和社 発売日: 2014/02/25 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 感想を一言で書くと「ゴミ」、…

PUSH!!が休刊するので、エロゲー雑誌がどれくらい生き残ってるか軽く調べてみた

エロゲー雑誌『PUSH』が休刊するそうです。 10年くらい前はエロゲー雑誌はいろいろ出ていたと思うのですが、今も出ているのは『TECH GIAN』『BugBug』『メガストア』くらいですか。 というわけで、どのくらいの雑誌が減ったのか軽く調べてみました。『美少女…

『ミッキーマウスはなぜ消されたか』の疑問、もしくは『ひぐらしのなく頃に』の話

ミッキーマウスはなぜ消されたか---核兵器からタイタニックまで封印された10のエピソード (河出文庫)作者: 安藤健二出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2011/10/05メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 13回この商品を含むブログ (13件) を見る 安藤健二『…

想田和弘『なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか』

なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか (講談社現代新書)作者: 想田和弘出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/07/15メディア: 新書購入: 4人 クリック: 31回この商品を含むブログ (21件) を見る 『選挙』『精神』『Peace』というドキュメンタリー映画を撮った…

9月に読んだ本

9月の読書メーター読んだ本の数:3冊読んだページ数:947ページヘッダ・ガーブレル (岩波文庫)新国立劇場でやる演劇を観るので予習として読む。ヘッダのキャラがつかめないとなんであんな結末になったのか分からない気がする。自分はつかめてない気がするが…

8月に読んだ本

8月の読書メーター読んだ本の数:5冊読んだページ数:1423ページ謀叛論―他六篇・日記 (岩波文庫)読了日:08月30日 著者:徳冨 健次郎思想家の自伝を読む (平凡社新書)読了日:08月26日 著者:上野 俊哉浮上せよと活字は言う (平凡社ライブラリー)読了日:08…

烏賀陽弘道『「朝日」ともあろうものが。』

「朝日」ともあろうものが。 (河出文庫)作者: 烏賀陽弘道出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2009/06/04メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 33回この商品を含むブログ (17件) を見る 朝日新聞社に17年間勤めた元社員による内部暴露話。ただ「朝日の偏った…

西原理恵子『この世でいちばん大事な「カネ」のはなし』

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ)作者: 西原理恵子出版社/メーカー: 理論社発売日: 2008/12/11メディア: 単行本購入: 71人 クリック: 566回この商品を含むブログ (378件) を見る この本は「よりみちパン!セ」という叢書の1冊として書…

宇野常寛『ゼロ年代の想像力』

ゼロ年代の想像力作者: 宇野常寛出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/07/25メディア: ハードカバー購入: 41人 クリック: 1,089回この商品を含むブログ (264件) を見る 90年代後半を「引きこもり/心理主義」の時代とし、9・11後の世界を「引きこもり/心理…

それは「解説」ではない

今読んでいる小説の解説を書店員が書いているのですが、なんで書店員が解説を書くと「私はこの小説が発売されたとき(これはもちろんハードカバーである)、私は平台の大部分にこの本を陳列し……」という話になるのか。そしてその後に続くのは「この本を多面…