『けいおん!』最終回を見た

 あざといなぁと思いつつ泣いている自分がいて困った。というか卑怯だろ。原作のままやったら最終回にならないから改変はされてしかるべきだと思うけど。

 何が卑怯かといえば以下の通り。

 ・1年前の学園祭で『ふわふわ時間』を歌わず、2年の時は家にギターを忘れた唯がライブに間にあって『ふわふわ時間』を歌う。
 ・しかもギターを取りに行ってから学校に行くまでに過去の自分へ「大丈夫だよ」とか言う。
 ・さわちゃんギターを弾く(しかもフライングV)
 ・唯の「この講堂が武道館です」というMC
 ・『ふわふわ時間』を1回歌った後に紬のキーボードからまた歌う。

 普通にいい最終回じゃねえか、これ。やられました。

 もっとも作品には絶対支持という訳ではなく、すこし否定したいところがあるのも事実で、特に軽音部という空間が一時的なものでしかない、という事が描かれてないのが不満なのです。一時的なものだという感覚があるからこその楽しさではないか、と思うのですがそれは脳内補完すべきなのか、私が見落としているだけなのか。それは何もキャラクターが「終わっちゃうんだよ」と言うことではなく、現実問題として唯たちには受験というイベントが待っているわけで(澪は夏期講習に行っているわけですし)、そうなると部活に足を運びたくても現実的に難しいということになります。そうすると「あ、これはずっと続くものではないのだな」ということが分かるし、個人的な経験では自分たちがいなくなった部活にはだんだん居場所がなくなっていきます。淋しいけれどこれが現実。

 そういう事を描いて2期とかやってくれたらいいのですが、2期はあっても「卒業してもみんな一緒」というオチになりそうで、それだったらやらなくていいなぁと思う。むしろ今のままで終わった方がすっきりする。

 以下余談。
 
 「みんな一緒、だけど、おそらくみんなバラバラになるのだろうな」と思わせる作品というのは、自分の中では『リトルバスターズ!』がそれに当たります。あの関係性は理樹と鈴が弱いから成り立つ関係であって、そうでなくなったらずっと一緒にいるということはあるのだろうか、と感じさせる部分があるのですが、私だけか。