読書メーターまとめ(2017年7月)

7月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1586
ナイス数:6

近大マグロの奇跡: 完全養殖成功への32年 (新潮文庫)近大マグロの奇跡: 完全養殖成功への32年 (新潮文庫)感想
マグロというと築地でやたらとでかいのがセリに出されるという印象だったので、稚魚の時は少し傷がついただけで死んでしまうというのが衝撃だった。完全養殖までの32年を支えたのは研究者の熱意と忍耐もあるのは確かですが、「気を持って長い目でやってください」と言えるトップ、あとお金だよなぁとも思ってしまいました。読み終わると近大マグロを食べたくなります。
読了日:07月30日 著者:林 宏樹
THIS IS JAPAN――英国保育士が見た日本THIS IS JAPAN――英国保育士が見た日本感想
3章の保育園のルポ以降が肝だと感じました。子供の自主性を重んじず保育士の言うことを聞くことが重要視される保育園の雰囲気が、上意下達になってしまう社会運動、義務とセットにされてしまう人権への理解につながっているのではなかろうか、というのは深読みのしすぎかもしれませんが。それにしても経済が重要視されない左翼運動って何なんだろうかと思ってしまった。そしてこの本の横に置かれるのは西原理恵子『この世でいちばん大事な「カネ」の話』ではないかと思う。政府に対する考え方は違うだろうけど。
読了日:07月26日 著者:ブレイディ みかこ
地獄の読書録 (ちくま文庫)地獄の読書録 (ちくま文庫)感想
1960年代の主にミステリを中心とした書評集。当時たくさん訳出された本がほとんど残っていなかったりして、エンタテインメントの儚さを感じてしまいました。
読了日:07月20日 著者:小林 信彦
私の東京地図 (ちくま文庫)私の東京地図 (ちくま文庫)感想
ホテルやホテル内のレストランの記述が多いのが意外であり、面白いところだった。「そういう<血圧計がこわれても食う>精神のない者は、食い物のことなど書いてはいけないだろう」(P.107)という一文を読んで、自分はこの著者のこういうところが好きなのだなと思った。
読了日:07月11日 著者:小林 信彦
スクールセクハラ なぜ教師のわいせつ犯罪は繰り返されるのか (幻冬舎文庫)スクールセクハラ なぜ教師のわいせつ犯罪は繰り返されるのか (幻冬舎文庫)感想
学校という空間が社会から離れていること、それ故に実社会だったら問題になる行為が行われ、発覚しそうになると隠ぺいするという構図が分かったがどうにもやりきれない。特に教え子が教師になった途端、社会の常識が通じなくなるという大学教授の言葉が印象に残った。学校や教師にも問題はあるのだろうが、「生徒のために自分の時間を使う先生はいい先生だ」という考えもこうした問題を延命させているのかもしれないとも思いました。
読了日:07月05日 著者:池谷 孝司

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