読書メーターまとめ(2019年1月)

1月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1830
ナイス数:11

ジャニーズと日本 (講談社現代新書)ジャニーズと日本 (講談社現代新書)感想
嵐の活動休止のニュースのせいで期せずしてタイムリーな読書になってしまいました。それはともかく「アメリカ」を補助線にしてジャニーズを見ると、自分が想像していなかったジャニーズ像が見えてとても面白かったです。アメリカの様々な価値感や文化を教えるというジャニー喜多川の哲学やジャニーズのジャポニズムという解釈は新鮮でした。あと「芸能人は『芸術家』と同じで尊敬される存在である」というスタンスは事務所のあり方や行動を考えると興味深い。しかしこうして曲が取り上げられていると、著者によるコンピCDが出ないものか。
読了日:01月30日 著者:矢野 利裕
声優魂 (星海社新書)声優魂 (星海社新書)感想
声優・大塚明夫による仕事論であり、声優論であり、人生論。「声優になるとは職業の問題ではなく、生き様の問題である」と喝破し、そこまで考えている同業者がいないから自分の仕事は減らないのだと言い切るのはすごい。「この仕事で成功するためには運が必要である」が「そのチャンスを生かすには常に相手が満足できるものを出さないといけない」という下りはどんな仕事でもその通りなのだなぁ、と。
読了日:01月27日 著者:大塚 明夫
訳者解説 -新教養主義宣言リターンズ- (木星叢書)訳者解説 -新教養主義宣言リターンズ- (木星叢書)感想
著者が翻訳した本の解説をまとめたもの。ジャンルは意識や心理、データ分析、フリーソフト、インターネットと規制の関係と多岐に渡るが、通して読むと「自由」とか「合理性(とそれがもたらすもの)」について一貫した興味があるのかな、と思わせられる。全部読んでみたいが、特に『その数学が戦略を決める』と『数学で犯罪を解決する』に興味が出てきました。
読了日:01月24日 著者:山形 浩生
ももクロ非常識ビジネス学 - アイドル界の常識を覆した47の哲学 -ももクロ非常識ビジネス学 - アイドル界の常識を覆した47の哲学 -感想
ももクロについては数曲知っているだけで熱心なファンでも何でもないのですが、ももクロを長く続けるために水着にならず、握手会もやめ、メンバーの入れ替えもなければ補充もしないというところが興味深かったです。消耗しないためにどうするかを考えているのだなぁ、と。
読了日:01月19日 著者:小島 和宏
創られた「日本の心」神話 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史 (光文社新書)創られた「日本の心」神話 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史 (光文社新書)感想
もともとは「モダン」な音楽として作られたものが、専属制度の解体や時代の流れの中で浪曲調などと一括りにされて、本来の意味とは違う「演歌」というジャンルになるまでを様々な文献を駆使して記述しており面白かった。それにしても「演歌」というジャンルが1960年代後半の反体制的な文脈から出てきたことを考えると、保守系の政治家さんたちが「演歌は日本の心」と言ってしまっていいのかという気になります。
読了日:01月15日 著者:輪島 裕介
平成デモクラシー史 (ちくま新書)平成デモクラシー史 (ちくま新書)感想
『平成デモクラシー史』という書名ですが『平成政局史』とも読めると思いました。イギリスの議会政治を基に内閣・与党の一元化を目指した政治・統治機構改革が首相への権力集中をもたらし、そのシステムを理解する小泉元首相、安倍首相が長期政権を維持する一方、理解できなかった政権は短命に終わると理解しました。それにしても2007年に自民・民主の大連立政権が出来ていたら、政治の風景も今と全然違っていたのかしらと妄想。
読了日:01月12日 著者:清水 真人

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