読書メーターまとめ(2019年12月)

12月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1293
ナイス数:46

メンタルヘルス入門 (日経文庫)メンタルヘルス入門 (日経文庫)感想
お仕事の都合上勉強する必要があり読んだ。どうしてもアドバイスだったり口を出したくなる性分なので、傾聴の姿勢を大事にしたい。10年以上前の本なので情報としては古くなっているところもある気がするが、基本はそんなに変わってないとは思う。もっとも最近の本を読んでみないと分からないが。
読了日:12月30日 著者:島 悟
ウンコな議論 (ちくま学芸文庫)ウンコな議論 (ちくま学芸文庫)感想
ウンコな議論、その場しのぎの適当な発言がどうして世の中にあふれるのか、そもそもウンコな議論とは何かを考察した本。まず「ウンコな議論」は真実とは何かを知っている必要がない点で嘘とは異なる。また物事の正しさや真実よりも誠実さを重要視する向きもあるが、自分自身が確固としたものではない以上誠実さを重要視するのは間違っている。役者解説と再読で何とか分かったような感じになる。
読了日:12月21日 著者:ハリー・G. フランクファート
私は本屋が好きでした──あふれるヘイト本、つくって売るまでの舞台裏私は本屋が好きでした──あふれるヘイト本、つくって売るまでの舞台裏感想
第1部の出版関係者やライターへのインタビューはまだいい。ただ分断や差別を批判しておきながら古谷経衡氏のインタビューをそのまま載せるのは、散々書店員の想像力の無さを批判しておきながら、自分の本がネトウヨに読まれたり内容をネットに書かれるという想像をしてないのではないか。これが第2部になると全く論理的ではなくなり、ポルノとヘイト本は違うという主張はポルノ好きの私から見ても疑問だし、出版業界にいる人をアイヒマンと呼ぶのはどうなのか。さらに書店員の責任を書きながら「ネット書店があれば困らない」と書くのは無責任。
読了日:12月19日 著者:永江朗
イラストで読むAI入門 (ちくまプリマー新書)イラストで読むAI入門 (ちくまプリマー新書)感想
AIに出来ることと出来ないことなどが優しく説明されていて言葉やイメージが先行している印象を整理できた。例えば囲碁の世界ではシンギュラリティが起きているが、そのような特化されてないところではAIが人間より賢くなる可能性が低く、また意欲や意志を持ち合わせていないため「AIが人間を支配する」というより「AIと人がパートナーになる」という説明はなるほどと思った。AIが日常生活に入り込むようになれば、AIという言葉が使われなくなるという指摘も興味深い。
読了日:12月16日 著者:森川 幸人
つけびの村  噂が5人を殺したのか?つけびの村  噂が5人を殺したのか?感想
山口県の集落で5人が殺害された事件のノンフィクション。出てくるのは犯人の心の闇でも複雑な環境でもなく、たくさんのうわさ話。犯人や被害者、村人のネガティブなうわさ話が当たり前のようにあって、悪意のない悪意が日常に充満しているかのよう。でもこういう村のうわさ話とSNSで何気なくリツイートするうわさ話のどこに差異があるのかというと、どちらも同じに思えてくる。私だって悪意なく悪意を出しているのかもしれない。事件ノンフィクションの定型を外すことで「よくある話」にならなかったのではないかとも思う。
読了日:12月09日 著者:高橋ユキ(タカハシユキ)
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルーぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー感想
息子がカトリックの小学校から元・底辺中学校に進学したら人種差別や貧富の格差がそこにはあり、友人たちとの関わりの中でアイデンティティの問題に直面したりもする。こういうのを読むと政治や経済、社会問題は子供と無関係ではなくむしろダイレクトに来るのだと思いました。一見すると暗い話になりそうなところがバイタリティやユーモアで笑いになっているところがたくましいというかなんというか(クリスマスのラップは爆笑した)。それでも「この国の緊縮財政は教育者をソーシャルワーカーにしてしまった」という一文は重い。
読了日:12月07日 著者:ブレイディ みかこ

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