11/10川口ブックマーケットに出店します

11/10開催の川口ブックマーケットに「書肆ヘルニア」の屋号で出店します。

khitohako.blogspot.com

さて私は熱しやすく冷めやすいというか飽きっぽい人間で、あるコンテンツにハマるとそれに関する本やらグッズを買い込むわけですが、その熱狂が醒めると買ったものに見向きもしなくなるわけです。だからオタクコンテンツが好きな割に本やらCDをあまり持ってなくて、要は飽きたら一切合切処分するので物が少ない。

というわけで、今回持って行く本はそんな感じの本が多いので、何にハマっていたかを察していただけると幸いです。

まぁ私の持って行く本はともかく、面白い本が並んでいたり美味しいコーヒーやパンもあるので、お時間がある方は是非。

 

 

読書メーターまとめ(2019年10月)

10月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:796
ナイス数:13

お祈りメール来た、日本死ね  「日本型新卒一括採用」を考える (文春新書)お祈りメール来た、日本死ね 「日本型新卒一括採用」を考える (文春新書)感想
時事ネタが多い内容かと思いましたが、そういう要素も含みつつも日本型と欧米型の採用を比較しつつ、欧米型の採用礼賛を戒め、具体的な改善策を提出しています。採用活動というのはその国の文化や教育制度、人事制度と密接に結びつくため違う国の制度を安易に取り入れてもうまくいかない可能性があると。また日本の採用制度では安易な即戦力育成の教育ではなく人文学や社会科学でもアカデミズムの訓練をすることが、社会人としての力をつけることになるとの指摘にはなるほどと思いました。ただ時事ネタを使ったタイトルは時が経つと寒い。
読了日:10月27日 著者:海老原 嗣生
ルポ トランプ王国2: ラストベルト再訪 (岩波新書)ルポ トランプ王国2: ラストベルト再訪 (岩波新書)感想
民主党からトランプ支持に回ったラストベルト一帯を再訪して前著からのその後を追った一冊。読んでいて感じたのがリベラルの問題が意識の高いものになってしまい、雇用や賃金を問題にしなくなったこと。そして一部の民主党支持者はそこに危機感を持っているということでした。「トランプが1000人の雇用を守ったと言ったとき民主党は500人しか守ってないと反論したが、その500人の雇用を守るのが本来の民主党の仕事ではないか」という民主党地方委員長の言葉が印象的。
読了日:10月23日 著者:金成 隆一
アイドル、やめました。 AKB48のセカンドキャリアアイドル、やめました。 AKB48のセカンドキャリア感想
48グループを卒業した元アイドルのセカンドキャリアを追った本。クリエイター、声優、保育士と道は様々だが、それぞれがアイドル活動中に「自分が本当にやりたいことは何か」ということと向き合っていて、立派だなぁと思ってしまいました。あと陳腐な言い方ではあるが、自分の人生を自分が選択したという実感を持つことの方が、芸能界での勝ち負けよりよっぽど大事ではないかとも感じました。
読了日:10月19日 著者:大木 亜希子

読書メーター

読書メーターまとめ(2019年9月)

9月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:714
ナイス数:3

ギターは日本の歌をどう変えたか―ギターのポピュラー音楽史 (平凡社新書)ギターは日本の歌をどう変えたか―ギターのポピュラー音楽史 (平凡社新書)感想
前半はギターの歴史で、後半は日本のポピュラー音楽とギターの関係について。戦前のハワイアンブームについては知らなかったので勉強になった。
読了日:09月20日 著者:北中 正和
ニッポンのうたはどう変わったか: 増補改訂 J-POP進化論 (平凡社ライブラリー)ニッポンのうたはどう変わったか: 増補改訂 J-POP進化論 (平凡社ライブラリー)感想
1999年に出た『J-POP進化論』の増補改訂版で、元本は未読。さて感想はとても難しかったので分かった感じがない。というのも音階やコードの話が多用されているが、その知識が私にはないのでピンと来ない。さらに本で取り上げられている民謡や童謡、歌謡曲へのなじみも薄いためタイトルを出されても頭に音楽が流れないためと推測。ただ興味深い指摘もあり、モータウンとヨナ抜き音階が同じであるとか、「カウンターカルチャー」は「対抗文化」ではなく「逆行文化」と訳した方がその後の高度消費社会とのつながりが整理しやすいとか。
読了日:09月16日 著者:佐藤 良明
50代からのアイドル入門50代からのアイドル入門感想
50代で乃木坂46からアイドル(主にハロプロ)にハマった著者によるアイドル入門。3年前の本なのでアイドルグループのメンバーとかチケット購入について違う部分は当然あるが、アイドル現場の雰囲気は分かってくる。個人的には巻末の嶺脇タワーレコード社長の「好きになるって、ときには努力が必要なんですよ」という言葉は名言だと思った。
読了日:09月04日 著者:大森 望

読書メーター

読書メーターまとめ(2019年8月)

8月の読書メーター
読んだ本の数:1
読んだページ数:222
ナイス数:3

AKB48の戦略! 秋元康の仕事術 (田原総一朗責任編集)AKB48の戦略! 秋元康の仕事術 (田原総一朗責任編集)感想
2013年刊行。当時ならともかく今読む意味があるのかと思いきや結構面白かった。「認知と人気は違う」とか「刺さるコンテンツでなければダメ」、「冷静になってくると『何が面白かったんだっけ』というのではリピーターを生まない」というのはまさしくその通りだなぁ、と。ただ「AKBはドキュメンタリーである」という考えは、事件や事故をドキュメンタリーの素材として扱ってしまうのではという危惧を持ったし、その結果がNGT48を巡る騒動に出てきてるのではと今となっては思ったり。
読了日:08月21日 著者:秋元康,田原総一朗

読書メーター

アイマスライブ演出家への言説について私が思うこと

アイマスライブについて「演出は前任者の方がよかった」みたいなコメントや発言を見るたびにどこかモヤモヤしたものを感じていたのです。

そんな私はミリシタから入って最初にリアルタイムで観たライブは『HOTCHPOTCH FEATIV@L!!』のライブビューイング、初現地は『BRAND NEW PERFORM@NCE!!!』。シンデレラは未見。

で、最近になってようやく原因が分かってきたので、それについて書きたいと思います。

1.そもそも初めて観たライブがJUNGO氏の演出である

ミリシタから入ったので私がリアルタイムで観たライブはJUNGO氏の演出によるものです。で、初めてアイマスのライブを観て楽しんだのに、「演出がクソ」とか「この曲をやらないからダメ」みたいな感想を見たら水を差された気分になって良い気分はしません。

もちろんライブBDを見れば過去の演出家のライブは見られます。ただライブBDと実際のライブでは後者の方が印象に残ると思うので、ライブに行きたいという感想は出るとしても現地のライブより素晴らしいにはならないと思います。

2.批判に対して思う事いくつか

私はミリオンしか知らないのでミリオンの話だけになるのですが、そもそも出番に偏りのあった3rdまでと、全員を偏りなく出す4th以降ではライブの作り方が違うと思うのです。それを考えたら例え前任者が戻っても同じライブ構成になるとは思えません。で、昔は良かったと言っている人たちはそこを考慮して批判してるのですか、と問いたいのです。

批評、批判するなとも全て絶賛しろとも思いません。ただ批評や批判するなら下記のリンクみたいにちゃんとやりなさいということです。

note.mu

note.mu

こう言ってはアレですが「あの曲をやらないからダメ」というのは批判でも批評でもない、ただの文句じゃないですか。演者の体力など内部のスタッフでないと分からない事情で披露できない曲もあるんじゃないかと思うのですが。

ちなみに私はセトリについてはこちらがどうこう言っても仕方がないと思ってるので、特定の曲をやらないことへの不満というのを感じたことがほとんどない。*1

というか、自分のやってほしい曲をやらないのが不満だったらリクエストライブの要望を出せばいいんじゃないですかね。すでに出してる人は要望を出してると思うし、運営がそれをやるか分からないけど。

3.JUNGO氏を安全なサンドバッグと思ってないか

『リスアニVol32.1』の座談会にはこのようにあります。(P.139)

保坂拓也「僕のミリオンライブ!への関わり方としては、レコードメーカーとしてCDを作ったりしてるんですけど、ライブでは音楽的な部分も含めて全体的な"企画構成協力"っていう立場でさせていただいています。音のこともそうですし、ライブの全体的な演出とか構成とかも含めて横から口出しをしているような感じです。」

JUNGO「自分は"リスアニ!LIVE"の映像を作っていた縁でミリオンライブ!に関わることになって、1stLIVEから映像を作っていました。2nd・3rdLIVEでは映像演出、4thLIVEkからは構成・演出に関わっています。内容的には中川さん*2や保坂さん、バンダイナムコエンターテインメントさんたちのいろんな意見を吸い上げて、ステージを作るためのまとめ役、みたいな感じですかね」

 これ読むとセトリや構成、演出を考えているのはJUNGO氏だけではないと思うんですよね。つまり文句のあて先が違う可能性だってあると思うんですけど、氏ばかりが叩かれるのは要は安全なサンドバッグとして見ているということではないでしょうか。でもそれってフェアではないよなぁ。

4. 昔を絶対視していないか

さて前任者が担当したライブはニコニコ大百科のコメントによると下記の通りとのこと。

  • 765AS…10thまで
  • ミリオン…3rdまで
  • シンデレラ…1stまで

これを見ると765ASはコンテンツがアニメや劇場版と拡がっていく時期に重なりますし、ミリオンもライブの規模がどんどん大きくなっています。

この規模が拡大していく時期の高揚感とライブの感想が入り混じって、その頃のライブを絶対視しているのではという気がしてしまうのです。

私は「コンテンツやジャンルにハマる時期とコンテンツやジャンルに勢いがある時期が同じだと、勢いが落ち着いてきたときに物足りなくなる」という持論を持ってまして、2000年代初頭には今のエロゲーはつまらないと言っている人がいました。2年前には私の同年代で今のJ-POPはクソみたいなことを書いている人がいました。

togetter.com

結局のところ基準がその頃のままで全く更新されてないから文句しか言えないんじゃないんですか、という感じがするのです。

昔の方がよかったというなら、ライブに行って腹を立てるよりお家で昔のライブBDを見てた方が幸せですよ?

 

ぐだぐだ書いてきましたが、8年前に一部のエヴァ好きが分からないということと書いてることが変わらないのでは。

unterwelt.hatenablog.com

あと、いかんせん「文句言いながら居続けるの時間の無駄だし、嫌なら離れればいい。」という精神になりつつあるので、上の文章をまとめると「嫌なら来なきゃよくね?」になるのであった。オチは特にない。

*1:ほとんどと書いているのはどこかで口走った可能性もあるので

*2:BNSIの中川浩二

読書メーターまとめ(2019年7月)

7月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1097
ナイス数:15

大塚明夫の声優塾 (星海社新書)大塚明夫の声優塾 (星海社新書)感想
声優大塚明夫と所属事務所社長(当時)納谷僚介が声優志願者に行った特別講義の模様をまとめたもの。技術は大事だがそれだけで売れるとは限らない。だから自分がどうなりたいかゴールを定めて、どうやって動くか考えないといけないというのは社会人の立ち居振る舞いもそうだよなぁ、と。あと人が発信したものをキャッチする力の重要性も説いていたが、これは声優業界に限らず人が社会で生きていくうえで必要な力なのではとも思ったりしました。
読了日:07月25日 著者:大塚 明夫
プログラミング教育はいらない GAFAで求められる力とは? (光文社新書)プログラミング教育はいらない GAFAで求められる力とは? (光文社新書)感想
2020年からプログラミング教育を始めるのに挑発的な書名だが、内容は「コーディング技術を教えるプログラミング教育は不要だが、論理的思考力や問題解決力、コミュニケーション能力といったプログラミング的思考を教えることは必要」という主張でした。で、今は住んでる地域や親の資金力で格差が出てくるから国としてきちんとやれとも。しかし未だにリスクが多い組体操をやらせる学校にこういう教育ができるのか。親が受け入れるのかという気はする。話は変わるが、IT志望の就活生が読んでも面白いと思う。
読了日:07月17日 著者:岡嶋裕史
鮎の宿 (講談社文芸文庫)鮎の宿 (講談社文芸文庫)感想
師・志賀直哉の臨終や葬儀にまつわる話から文士との交流、旅や食、時事問題についての随筆をまとめたもの。文士との交流では遠藤周作とのやり取りが非常に下らなく、そして面白かった。「『不眠不休の努力』はほめ言葉になっているけれども、その結果過度の緊張状態が欲も得も忘れさせてしまったら大変だ」(P.196)という文章が印象に残った。
読了日:07月15日 著者:阿川 弘之
目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】感想
日本経済が成長しないのはデフレだからである。にもかかわらず、デフレ対策をすべきところでインフレ対策ばかりしていた。今こそデフレ対策をしなければならないということで、「政府は大きくして社会保障にお金を回す」「産業は保護する」「グローバリゼーションも×」という主張を展開。これには驚いたが(規制緩和が成長につながると思っていたので)、それ以上に驚いたのはMMTという理論でバルファキスの本で語られていたことってこういうことだったのか、と。
読了日:07月08日 著者:中野 剛志

読書メーター

読書メーターまとめ(2019年6月)

6月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1396
ナイス数:14

「反緊縮! 」宣言「反緊縮! 」宣言感想
反緊縮とはどのような政策で何を目指すのかが分かりました。お金を教育や福祉、子育て、インフラに投資することで需要を作り出し、景気回復や雇用を生み、増税をしないものと理解。接客業をしていた時に「誰かがお金を使ってくれないと自分の使えるお金が増えない、もしくは減ってしまう」ということを痛感したので、この手の政策は実感として納得できる。そう、景気が悪いからお金は使わないようにしようとすると、ますますお金が減るんですよ! ただマネーサプライやマネタリーベースのところはきちんと勉強する必要があるなぁ。
読了日:06月25日 著者:松尾 匡,池田 香代子,井上 智洋,梶谷 懐,岸 政彦,西郷 南海子,朴 勝俊,宮崎 哲弥,森永 卓郎,ヤニス・バルファキス,プログレッシブ・インターナショナル
世界の喜劇人 (新潮文庫)世界の喜劇人 (新潮文庫)感想
『世界の喜劇人』というタイトルですが、取り上げられているのはほとんどアメリカの喜劇映画。とはいうものの、第2部の喜劇映画のギャグを列挙するところは「こんなことをするのは私ぐらいだろうから、私がやらないといけない」といわんばかりの念が見えて凄まじかった。それにしてもどこかで見たようなギャグが多いと思ったが、思い返すに『バックス・バニー』や『ロードランナー』あたりに似たようなギャグがあったかもしれない。あと芸は好きだがギャグは嫌いというチャップリン評も面白い。
読了日:06月20日 著者:小林 信彦
日記―十代から六十代までのメモリー (岩波新書 新赤版 (400))日記―十代から六十代までのメモリー (岩波新書 新赤版 (400))感想
著者の10代から60代までの日記で、後半は活字になったものからの抜粋。著者の価値観なのか、それとも時代全体の価値観なのかは分からないが、当時の考えが見えるところが面白い。それにしても昭和天皇を「徒食の民に過ぎない」と書いたり、「女性はどんなに頭がよくとも少なくとも50%はロマンチックな夢想家でなければならぬ」なんて文章を読むと今との違いに驚いてしまう。
読了日:06月12日 著者:五木 寛之
戦略読書日記 (ちくま文庫)戦略読書日記 (ちくま文庫)感想
経営学者による書評集。取り上げる本は経営者の自伝から経営学者の本、さらには井原高忠小林信彦まで。とにかく取り上げられている本を読みたくなるという意味で書評集として最高。ただそれだけでなく、「スキル」は見える化できるが「センス」は人によって千差万別で経営に必要なのは後者という話や、著者の体験と芸人の生き方を例に「センス」を見つけることの難しさ、趣味と仕事の違いなどが語られていて面白かった。著者の本業での書籍も読んでみようかと思う。
読了日:06月07日 著者:楠木 建

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