PUSH!!が休刊するので、エロゲー雑誌がどれくらい生き残ってるか軽く調べてみた

エロゲー雑誌『PUSH』が休刊するそうです。

10年くらい前はエロゲー雑誌はいろいろ出ていたと思うのですが、今も出ているのは『TECH GIAN』『BugBug』『メガストア』くらいですか。

というわけで、どのくらいの雑誌が減ったのか軽く調べてみました。『美少女ゲームマニアックス2』という書籍の「美少女ゲーム雑誌クロスレビュー」という企画に取り上げられている雑誌からムックや増刊と思われるものを除いた13点。

ちなみに外したのは『攻略電脳Idol』『G-type』『Pic-up』『Capu!』『Komachi』の5点です。前者2つはともかく、残りは見た覚えもない雑誌だったので除外しました。

 

美少女ゲームマニアックス〈2〉

美少女ゲームマニアックス〈2〉

 

 それにしてもこの本が出たのが2001年。表紙が『パンドラの夢』や『あしたの雪之丞』という頃なので、懐かしさに呆然となってしまいます。スクープで載ってるのが『大悪司』と『マブラヴ』。後者が超王道恋愛学園ADVと紹介されてた頃ですよ、たぶん。で、まさかアージュがその後『マブラヴ』だけでやっていくとは思うまい。

 

E-LOGiN(エンターブレイン

1995年創刊、2003年休刊。

ほとんど買ったことがないので印象がないのです。

E-LOGIN - Wikipedia

 

カラフルピュアガールビブロス

1999年創刊、2004年休刊。

エロゲー論壇(というのがあったんですよ)御用達雑誌という印象。

エロゲー論壇というのは、相沢恵(佐藤心)のコラムで『家族計画』の青葉シナリオを評して

そのギャルゲー回路とやらにしたがっていうと、青葉シナリオは、すぐれてラカン精神分析的だといえる。

なんて文章を書いて許されるところ。

しかしエロゲー論壇を象徴するのはこれじゃないかなぁと思うのです。

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 この雑誌がなければこのようなものも作られなかったのでは。それがいいことなのかはともかく。

Colorful PUREGIRL - Wikipedia

コンプティーク角川書店KADOKAWA

1983年創刊、現在も発行中。

とはいうものの最新号を読んでもエロゲーを全く取り扱ってないので*1エロゲー雑誌とは言えないと思います。

現在のメインコンテンツは『艦これ』だと思うのですが、もうちょっと運営と緊張感を持ってくれないと面白くない。T子とかタナカコとかやるんじゃなくてさぁ。

人によっては漫画の方が面白いと思っていそうな感じ。『ニンジャスレイヤー』や『コハエース』とか。

コンプティーク - Wikipedia

 

TECH GIAN(アスペクト→エンターブレインKADOKAWA

1996年創刊、現在も発行中。

新作スクープを多く載せることもあって情報源としては優秀だった。雑誌自体はたいして面白くもなんともなかったが。

それにしてもwikipedia

デスク(元副編集長)の変顔写真や簡単なコスプレが雑誌やWebに多数掲載されるなど、汚れ役を担う時もある。

創刊から在籍している編集部員「まちょ羽田野」がマスコット的な役割を担っているが、人気はない。

 って酷いな。その通りだとは思うけど。というか、元副編集長ってまちょ羽田野じゃないの?

コンプティークの『艦これ』記事にも思うことだけど、角川(エンターブレイン?)は編集のキャラを立てることを勘違いしているような気がします。どのような雑誌を作るか、取り上げる作品の取捨選択から編集がキャラ立ちするのであって、女体化するとかコスプレするというところからは出てこないと思うのです。

TECH GIAN - Wikipedia

 

電撃姫メディアワークスアスキー・メディアワークスKADOKAWA

2001年創刊、2014年休刊。

なぜか表紙を実写の女性が飾っていた雑誌。どういう基準でオファーを出していたのか、事務所はなんでOKを出したのか誰か調べてほしいところ。

2004年から女性キャラの表紙になりましたが、個人的には実写表紙の頃の方が面白かったです。

シナリオライターの持ち回りコラムで荒川工の次が田中ロミオというのも、今だったら頷けます。当時は田中ロミオって誰? と思いましたが。*2

DENGEKI HIME - Wikipedia

 

BugBug(サン出版マガジン・マガジン→富士美出版)

1992年創刊、 現在も発行中。

意外とモノクロページが面白かった雑誌。

関係ないですが、あごバリア・椎原旬・タカヒロ・藤原将・るーすぼーいの座談会の切り抜きがなぜかある。『遥かに仰ぎ、麗しの』とか『車輪の国、向日葵の少女』が出たころのやつ。

BugBug - Wikipedia

 

パソコンパラダイス(メディアックス→サンデー社→オークス

1991年創刊、2013年に休刊したが2014年に『パソパラ』としてムックとして復活。現在は3か月ごとの発行。

星野源も読んでいたエロゲー雑誌。局部のお宝マークとか懐かしいですね。

パソコンパラダイス - Wikipedia

 

PC Angel(オデッセウス出版→ケーズパブリッシング)

1992年創刊、2007年に『PC Angel neo』と改題、2012年休刊

攻略記事を主体とした雑誌。攻略記事で雑誌が作れる時代もあったんだなぁ。

江古田シスターズのコラム連載とかどれだけの人が覚えているのかしらん。私は読んだことないです。

PC Angel neo - Wikipedia

 

P-mate(毎日コミュニケーションズMCプレス宙出版

1999年創刊、2004年に休刊後、宙出版から『Advanced P-mate』として復刊するが2005年に休刊。毎日コミュニケーションズは現在のマイナビのこと。なおMCプレスはその子会社。たぶん今はない。

一番好きな雑誌でした。田中ロミオのデビュー作『CROSS†CHANNNEL』を巻頭で特集したり、『Quartett!』をプッシュするなど大手メーカーに拘らない姿勢が好きでした。

あと、児童ポルノ法案の特集では民主党の枝野議員やECPATの代表にインタビューするなど作品紹介にとどまらず、自分たちを取りまく社会と切り結んでいくところも他の雑誌にはない魅力がありました。この特集はまだ切り抜きがあるぞ。

 

宙出版時代のは3号で買うのをやめたから知りません。『マブラヴオルタネイティブ』とか巻頭で取り上げるなんて俺の知っているP-mateじゃねえと思ってました。今から考えると痛いですね。

P-mate - Wikipedia

 

PUSH!!(晋遊舎→MAX)

2000年創刊、2015年休刊。

毎月20日ごろ発売のエロゲー雑誌ではこちらの方が好きでした。何と比べているかというとTECH GIAN

とはいうものの、雑誌自体に思い入れがあるわけではないので書くこともそんなになかったりするのである。

PUSH!! - Wikipedia

栗田出版販売破綻の影響で「COMICポプリクラブ」「PUSH!!」が消滅決定|おたぽる

 

メガストア白夜書房コアマガジン

1993年創刊、現在も発行中。

メガストアというとうめつゆきのりの過激な表紙ですよね、というのはどのくらいの世代まで通じるんだ。あんな表紙だったのに18禁マークが2002年5月号までついてないのが、今から考えるとおかしい。

 今はエロゲーの復刻を付録にしています。店頭で見て買おうか迷って買わないまま次の号が出ていることがある。

 ちなみに初めて買ったエロゲー雑誌はこれでした。アリスソフトが『かえるにょ・ぱにょ~ん』を出した頃。

メガストア - Wikipedia

 

電撃G,sマガジン(メディアワークスアスキー・メディアワークスKADOKAWA

1992年創刊、現在も発行中。

正確にはエロゲーも扱っている(いた?)雑誌。エロゲー雑誌というよりシスプリラブライブ‼の印象の方が強いです。

今はラブライブ!!はもちろんアニプレックスと組んでオリジナルアニメを作るなど、オリジナルコンテンツに力を入れている感じ。って、読者参加企画の頃からそうか。

個人的には『セラフィムコール』の印象が大きかったり。もっとも読者参加企画ではなくアニメの方ですが。

電撃G's magazine - Wikipedia

 

Raspberry(ソフトバンク

2001年創刊、2004年休刊。

雑誌の印象はあまりないのですが、ここが作ったゲームのビジュアルブックはよくできていた印象があります。

そういえばこの雑誌が休刊したのはソフトバンクがホークスを買うのに体裁が悪いからだという説をネットで見たことがあったのですが、真相はどうなんでしょうね。

RASPBERRY - Wikipedia

 

というわけで、13誌中6誌がまだあるという結果になりました。もっともエロゲーメインの雑誌になると4誌、そのうち1誌は3か月ごとの発行なので月刊誌では3誌となります。

やはりゲームの市場が縮小すれば雑誌も少なくなりますね。そもそもネットで情報が得られれば雑誌を読む必然性だってないわけで、オリジナルコンテンツを作るか、編集部でグッズを作ることで収益を上げるという流れになるのかなぁと思いました。*3

 

 

*1:『果つることなき未来ヨリ』が載ってますが全年齢なので対象外とします

*2:CROSS†CHANNEL』発売前だった

*3:前者をやっているのが電撃G`sマガジン、後者をやっていこうとしているのがTECH GIANだと思ってます。