読書メーターまとめ(2017年6月)

6月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1614
ナイス数:9

不況は人災です! みんなで元気になる経済学・入門(双書Zero)不況は人災です! みんなで元気になる経済学・入門(双書Zero)感想
不況はなぜ悪いのか、なぜ経済成長が必要なのか分かったが、イマイチ分からなかったところもあった。しかし「左派や労働組合が大資本家に有利な政策ばかり掲げて、働く人々の雇用拡大のニーズに応えなかったら、右派ナショナリズム勢力がその代りを担うのは歴史の常です」と書いたら本当にそうなるとは。で、今の左派がそこを改めているかというと……。
読了日:06月28日 著者:松尾 匡
経済成長って何で必要なんだろう? (SYNODOS READINGS)経済成長って何で必要なんだろう? (SYNODOS READINGS)感想
『現代ニッポン論壇事情』を読んだので、この本も読んでみたのですが、内容というか主張はほとんど同じです。ただこの本では「若者」だった人たちが「ロスジェネ」になったくらいで、経済学の知識が論壇に反映されていない等の問題が解決されていないことが浮き彫りになってしまってます。低成長、再分配の問題は解決されないといけないのですが、なぜか「低成長・みんなで負担」という主張になってしまうのはどうしてかしらん。
読了日:06月23日 著者:芹沢 一也,荻上 チキ,飯田 泰之,岡田 靖,赤木 智弘,湯浅 誠
男子の貞操: 僕らの性は、僕らが語る (ちくま新書 1067)男子の貞操: 僕らの性は、僕らが語る (ちくま新書 1067)感想
男の性が「モテ/非モテ」や「エロ」という文脈でしか語られていないという問題意識は分かるのですが、結局のところ関係性を作るのが大事という話になってしまい、出会いカフェ女子大生殺人事件の加害者のような関係性が上手く作れない人はどうするのかという疑問が残りました。まさか師匠みたいに「コミュニケーションスキルの低い男の性はどうでもいい」と考えてるんですか、と嫌みの一つでも言いたくなりますが、私が読み違えていると思いたい。
読了日:06月19日 著者:坂爪 真吾
現代ニッポン論壇事情 社会批評の30年史 (イースト新書)現代ニッポン論壇事情 社会批評の30年史 (イースト新書)感想
著名なリベラル・左派言論人が社会問題を経済問題として取り上げなかった(取り上げられなかった?)ことが分かる。自分も経済学には不勉強なので、勉強しないとなぁ。あと、この本で取り上げられてる人たちがダメダメなのは分かりきってることだろと言ってしまう人は、自分たちがタイムラインだけ見て「普通の人」を見ない左派と同じだと気付いているのかしらん。この本で批判されている言論人を支持している人は意外と多いと思うのですが、じゃあ彼らの支持者がこの本を読むかというと読まないような気がします。
読了日:06月16日 著者:北田暁大,栗原裕一郎,後藤和智
花の命はノー・フューチャー: DELUXE EDITION (ちくま文庫)花の命はノー・フューチャー: DELUXE EDITION (ちくま文庫)感想
どうしようもない人たちのどうしようもないがしぶとい生活ぶりが面白かったです。それにしても富裕層はストライキの影響を被らないが、そうでない人はモロに被るのでそのうち内戦がおこるんじゃないかとか、緊縮傾向で労働者の実質賃金が下がり職場の人と集まることがなくなったという話を読むと、経済と政治が生活に影響するということを改めて感じます。総じて面白かったのですが、何の解説にもなってない栗原康の解説は最悪。
読了日:06月12日 著者:ブレイディみかこ
妊娠小説 (ちくま文庫)妊娠小説 (ちくま文庫)感想
『文庫解説ワンダーランド』を読んで興味を持ったので読みました。デビュー作には著者の全てが現れると言いますが、意外な着目点、揚げ足取りすれすれのテキスト読解はこの時からあったのだなぁ、と。妊娠小説史も面白かったのですが、自由に読み書きをしているように思っているが、実はある決められたコードや書き方に縛られていることを書いている点で、妊娠小説の話の展開や男女の反応を分類した後半部分が大事なのではと思う次第です。
読了日:06月05日 著者:斎藤 美奈子

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