読書メーターまとめ(2018年4月)

4月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1860
ナイス数:10

噂は噂 壇蜜日記4 (文春文庫)噂は噂 壇蜜日記4 (文春文庫)感想
2018年刊行。これで終わりかもしれないと思うと淋しい。「この仕事は嫌いではない。ただ向いていないとは思う」という文章もあれば、「朝から床の上で原稿を書く。見てるか。これが本当の枕営業だ」という文章があるところがたまらない。
読了日:04月30日 著者:壇 蜜
デービッド・アトキンソン 新・生産性立国論デービッド・アトキンソン 新・生産性立国論感想
2018年刊行。人口減少によって日本は否応なく生産性を向上させなくてはならない、ではどうするか、ということで「高品質・相応価格」「女性の活用」「最低賃金の上昇(とそれに対応できない企業の淘汰)」を提案している。経済規模を維持しないと社会福祉が保てず「親を見殺しにする国になる」と言っているのはごもっとも。
読了日:04月21日 著者:デービッド アトキンソン
三文役者の待ち時間 (ちくま文庫)三文役者の待ち時間 (ちくま文庫)感想
2003年刊行。中断は挟むものの1977年~1983年までのジャズ、ミステリ、映画撮影の記録。もっともジャズ、ミステリ、映画に興味のない私には「もっともオレたちはマチガイダラケの国家に住んでいるんだから、こんなマチガイなんかどうでもいいか」(P.52)とか、「なんでもついでや、生きるもついで死ぬるもついで」(P.274)なんて言葉に惹かれるのです。それにしてもこういう言葉を書く俳優とか文化人っていなくなったような気がする。良識的な発言をするのが正しい文化人みたいな感じになっている気が。
読了日:04月16日 著者:殿山 泰司
考える耳 記憶の場、批評の眼考える耳 記憶の場、批評の眼感想
2007年刊行。音楽を補助線にして社会について語る音楽時評というコンセプトはいいと思うのですが、モーツァルトのイメージ(神話)批判のオチが紋切型の与党批判だったりするので、これなら社会時評部分は無かった方が良かったのではと思ってしまいました。
読了日:04月11日 著者:渡辺 裕
慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り―漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代 (新潮文庫)慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り―漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代 (新潮文庫)感想
2011年刊(親本は2001年)。同じ年に生まれた文学者七人の青春と時代を描いているが、日清戦争前で終わっているのでまだ漱石は作家になっていない。ただ著者の興味は日本という国がふにゃふにゃだった明治初期とその頃に生まれた文学者達の肖像にあったと思うので、尻切れトンボでも仕方がないのかなとは思う。彼ら七人に加えて、内田魯庵田山花袋泉鏡花も出てくるのでものすごく濃い。それにしても、彼らが同時代に生まれてなかったら、我々が知っている彼らになったのだろうか、と偶然というものについて考えてしまう。
読了日:04月09日 著者:坪内 祐三

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