『映画けいおん!』と『ちはやふる』と青春

 一昨日、『映画けいおん!』を観ました。昭島MOVIXで20:10の回。平日のレイトショーだからかお客さんは少なくて、ほとんど男性でした。

 映画はロンドンに行くまでがちょっとイマイチかなと思いましたが、ロンドンに行ってからは面白かったです。

 で、ここからは映画とあまり関係ない話。


 いま『ちはやふる』というアニメをやっているのですが、面白いんです。かるたクイーンを目指す千早がいて、彼女を取り巻く仲間たちも挫折や苦悩があって王道の青春ものという感じがします。

 それに対して『けいおん!』ってそういう目標ないし、練習風景もあまりないし、新人に力を付けさせようとした結果「(新入部員を)潰す気か」と指摘されて落ち込むという『ちはやふる』みたいな展開は『けいおん!』では見られないです。

 だから『けいおん!』と『ちはやふる』は表現が対立してると思ってたのです。だけど、それは違うんじゃないかと『映画けいおん!』を観てから考えるようになりました。

 そもそも『ちはやふる』で千早がクイーンを目指すのは、小学生の時にかるたを教えてくれた新という小学生の時の同級生に再会するためなんです。「続けてればきっとまた会える」という確信が、彼女にはあるわけです。まあ千早は恋愛にまるで興味がないので、新に会ってもかるたやるだけのような気がしますが。

 その確信がどこから来てるかと考えると、時間だと思うのです。新や太一とチームを組んで大会に出た濃密な時間が、その確信を支えているのではないかと。

 で、『けいおん!』もメジャーデビューするといった目標はないです。あっても冗談まじりだったりします。ただ、高校時代のほとんどを一緒に過ごしたという時間の濃さは同じなんじゃないかと思うのです。

 だから「私たちはいつまでも放課後です」という言葉はそういう文脈で捉えるべきなんじゃないか、と思ったのです。卒業しても自分たちはあの頃のようになれる。そう思わなかったらあの言葉は出てこないと思うんですね。

 時間が経てばいろいろと変わっていくでしょう。『ちはやふる』はそうだったし、『けいおん!』も卒業したあとでは変わっていくと思います。*1ただ「変わっていくけれど、変わらない」という感覚があるのはいいなあ、と。

 ちなみに映画でいちばん好きなシーンは卒業式の日に唯たちが屋上を走るところです。なんか女の子が走るという描写にグッと来るものがあるみたい。そういえばアニメ2期でいちばん好きなシーンは番外編「訪問!」の唯たちが音楽室に入らずに校内を走るところだった。

*1:卒業後の原作を読んでないので断言できませんが