2015年の10冊
2015年に読んだ本から面白かったものを10冊あげます。
なお絶版本も含まれてますので、読みたかったら探してください。
ちなみに小説はほとんど読まなくなったのでありません。今年読んだフィクションは小林信彦『袋小路の休日』、シェイクスピア『リア王』『十二夜』だけでした。これでいいのかと思うのですが、小説は1回読んだらそれっきりなので読もうと思わなくなってしまったのです。来年どうなるかはわかりませんが。
チョコレートの世界史―近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石 (中公新書)
- 作者: 武田尚子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2010/12
- メディア: 単行本
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こういう風に世界史を教えてくれれば、世界史に対するアレルギーは出なかったかもしれないのに、と思いました。問題はこれを読むと他の本も手に取りたくなるところ。
こちらの書評が詳しいです。
nix in desertis:第183回『チョコレートの世界史』武田尚子著,中公新書
雪風よりも朝雲やレイテ沖でのジョンストンの活躍が印象に残ったのですが、それでも最後、台湾で解体され、舵と錨だけとなってかつての乗組員と「再会」するところは泣く。
テレビ業界の内幕、文壇に対する違和感など綴られていて面白い。同著者の『テレビの黄金時代』と併読必須。
個人的には『11PM』の司会を受けようか迷っていた著者に渡辺プロ社長が言った
タレント業は消耗品で、作家のやることじゃないよ
という言葉が衝撃的。というか、あなたがそれを言うか。
すごく面白かったのですが、「反軍国少年が共産党内での権力争いでソウルジェムが濁ってくそ強い魔女になった結果がナベツネである」という感想は我ながらどうかと思う。
それにしても、政治部記者が出世するには与党の大物と懇意になることというのは、昔はそれで良かったのでしょうけど、今ではマイナスにしかなってない気がします。今でもそうなのかしらん。
岡崎京子が「1991年の小学六年生」にフリッパーズ・ギターと一緒に載ってたことを初めて知りました。「1991年の小学六年生」は読んだはずなのに覚えてなかった。
それにしても江口寿史『江口寿史の正直日記』は読むと時代を感じるのに、91年~92年にアサヒ・ジャーナルで連載されたこの本には今とつながる部分が多く感じられたのは何故かしらん。
日記を書いていたら他人の日記にも興味を持つようになってしまいました。というわけで、あまり期待せずに買ったのですが、予想以上に面白かったです。
シワで稼ぐ人生もあるなら、スジで稼ぐ人生もあったってよいではないか。
なんて書かれたら「参りました」と言わざるをえない。
今年は数年ぶりに旅行をしたのですが、そのせいもあったのか腑に落ちる箇所が多かったです。
ところでこの本、「検索ワードを探す旅」というサブタイトルなので「検索」という言葉がキーワードのように思えますが、重要視されているのは「時間」や「体験」なのだと思います。そう考えると今年話題になった武田砂鉄『紋切型社会』におけるこの本への批判は的外れなんじゃないかと。*1
実際に読んだのは『決められた以外のせりふ』『肩の凝らないせりふ』『覚えられなかったせりふ』なのですが、1冊にまとまっているこの本で代用。
著者は芥川龍之介の長男なのですが、家族のことよりも演劇の感想の方が印象深かったです。「日本人が西洋の演劇をやること」について真剣に考えていた時代があったのだなぁ、と思ったのでした。
演劇の制作会社であり、タレントのマネジメント会社でもあるシス・カンパニー社長のビジネス本。
自分がやりたい企画でないと意味がないと書きつつ、興業を考えない芝居はどこか線が細いものですと言い切ってしまうところが最高。
- 作者: ディーン・R.クーンツ,Dean R. Koontz,大出健
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 1996/07
- メディア: 文庫
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TweedBooksさんで毎月1回開催されている「ひとつき10冊」というイベントで立川志ら乃師匠が『荒木飛呂彦の漫画術』という本を紹介していて、それを聞いて積んでいたこの本を読んだのですが、思っていることが近くて驚きました。
私は創作活動をする気も予定もないのですが、「大多数の人に読まれなければ意味がない」「娯楽的価値を高尚なメッセージとやらよりも低く見ることは、やめたほうがいい」という言葉には非常に共感しました。それに作品を評価する際の「どこが良かった(悪かった)のか」をどう判断すればいいのか、についても勉強になりました。
以上です。
今年は一昨年、昨年に比べると本を読みました。まぁ、ゲームに費やす時間が読書時間になったという事なんですが、来年も10冊上げられるくらいには本を読みたいと思います。