9/17みちくさ市に出店し、9/24ひとつき十冊に出演します

開店休業気味でした「書肆ヘルニア」ですが、今月はいろいろあります。

1.9/17「みちくさ市」出店

今年3月以来のみちくさ市一箱古本市としても5月の川口ブックマーケット以来の出店です。「いち川・前」で出店します。

kmstreet.exblog.jp

持って行く本ですが、いつもと変わらず文庫多めです。マニアックな本や渋い本、お宝本はございませんが、お暇な方はどうぞお越しください。

2.ひとつき十冊出演

9/24(日)に開催される「ひとつき十冊」に出演します。今年1月以来の出演となります。読書メーターに読書記録はつけているので、話す本は読書メーターに乗せた本と同じになると思います。

http://dojibooks.tumblr.com/post/165141784834/次回-ひとつき十冊

dojibooks.tumblr.com

読書メーターまとめ(2017年8月)

8月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1538
ナイス数:14

ボクたちはみんな大人になれなかったボクたちはみんな大人になれなかった感想
ツイッターで人気の方だけにハッとする文章はあります。ただ小説としてみると、例えばスーとの出会いの場面は出来の悪い村上春樹のパロディみたいで笑ってしまったように、どうもピンと来ませんでした。これは著者と同世代ではないからかもしれませんが、出てくるアイテムに思い入れがないときつい。あと90年代後半の話なのにDVDが出てくるのが謎。
読了日:08月31日 著者:燃え殻
政友会と民政党 - 戦前の二大政党制に何を学ぶか (中公新書)政友会と民政党 - 戦前の二大政党制に何を学ぶか (中公新書)感想
二大政党制について勉強したく読んだのですが、話が内政、外交と飛んだりして、知識のない自分には難しかったです。あと時折挟まれる石橋湛山の評が興味深かったです。
読了日:08月29日 著者:井上 寿一
ザ・レフト─UK左翼セレブ列伝 (ele-king books)ザ・レフト─UK左翼セレブ列伝 (ele-king books)感想
左翼とかリベラルというと平等だったり人種差別批判という考えになるが、ここで紹介されている人は行き過ぎたポリティカル・コレクトネスを批判したり、右翼と見紛うような発言をする人もいて面白かった。それと同時に彼らが左翼なのは出自や環境によるどこか「ガチ」な理由があるのだが、ひょっとすると日本の芸能人や音楽好き、映画好きはそういう理由ではなく、音楽や映画好きなら左翼になるでしょという、なんとなくの左翼やリベラルが多いのではないかとも思いました。
読了日:08月23日 著者:ブレイディみかこ
悪酒の時代/猫のことなど 梅崎春生随筆集 (講談社文芸文庫)悪酒の時代/猫のことなど 梅崎春生随筆集 (講談社文芸文庫)感想
身辺雑記や文芸批評など様々な文章が収められているが、社会時評が最も刺激的だった。ただ「根本的な解決ではなく、対処療法ばかりしている」とか「東洋的ゼイタクという言葉があるそうだが、つまり人力や時間のべらぼうな蔑視の上に成り立つゼイタクのことだが」なんて文章を読むと、果たして日本人の性根は今も昔も大して変わってないのではないかという気にもなってくる。
読了日:08月21日 著者:梅崎 春生
ヨーロッパ・コーリング――地べたからのポリティカル・レポートヨーロッパ・コーリング――地べたからのポリティカル・レポート感想
2014~2016までの主に英国を中心とした政治時評。「右対左」ではなく「上対下」という状況になっているのが今の状況なのでしょう。それにしても「右傾化する庶民を『バカ』と傲慢に冷笑し、切り捨てるのではなく、その庶民にこそ届く言葉を発すること」が勝てる左派だという著者の指摘は重い。今の左派でそのような考えを持っている人がどれくらいいるのだろうかという気にさせられる。
読了日:08月13日 著者:ブレイディ みかこ
植草甚一ジャズエッセイ 1 (河出文庫)植草甚一ジャズエッセイ 1 (河出文庫)感想
初めて植草甚一の文章を読みましたが、自分がモダン・ジャズに興味がないせいかイマイチでした。それ以前に海外の雑誌を引きながら自分の意見を書いていくというスタイルが、今の自分には合わないのではという気もします。
読了日:08月04日 著者:植草甚一

読書メーター

燃え殻『ボクたちはみんな大人になれなかった』とDVD、もしくは1997年にDVDはあったのか問題

「D・V・D! D・V・D!」>挨拶

 

燃え殻『ボクたちはみんな大人になれなかった』という小説が売れています。内容はものすごくざっくり書くと主人公が1990年代後半を回想するというものです。で、売れているので読んでいたら、こんな文章がありました。

やけに大きなテレビがあって、部屋の隅には背丈の低い木製の本棚があった。そこに女性誌と少女マンガとDVDがごっちゃに入っていた。

これを読んで私は首を傾げてしまいました。この小説の舞台が2000年代前半なら納得したのでしょうが、私の読み違いでなければ、これは1997年夏『新世紀エヴァンゲリオン劇場版Air/まごころを君に』が上映された時期の描写なのです。部屋の住人は女優志望の会社社長の愛人の一人。そういう人の家にDVDがあるのでしょうか。

はて、この頃DVDは普及していたのでしょうか。そもそもDVDはあったのでしょうか。

 

ウィキペディアによると家庭用のプレーヤーは1996年に発売されているそうです。ただ「発売されている」と「普及している」は違います。例えば携帯電話も1980年代には発売されていますが、だから1980年代に携帯電話は普及したとは言わないでしょう。

というわけで、普及率を調べようとしたのですが、これが難しい。内閣府の「主要耐久消費財の普及率の推移(二人以上の世帯)」というデータがあったのですが、DVDプレーヤーの再生専用機と再生録画兼用機の調査が始まったのは2005年からなので、それ以前が分からないのです。

ところが積読していた佐藤正明『陽はまた昇る』というVHSに関するノンフィクションのエピローグにこんな文章を見つけました。

再生専用のDVDは米国市場では、娯楽性の強いホームシアターとしての用途が広がっている。全世界の出荷台数は98年に220万台に達し、99年は420万台と予想されている。

 98年に220万台ということはその前年は200万台に達していないと考えるのが妥当でしょう。しかしこれは国内の数字ではなく、全世界の数字です。全世界で200万台に達していない商品を、女優志望の会社社長の愛人の一人が持っているとは思えないのです。この時期DVDを持っていたのは、よほどのAV機器マニアではないのでしょうか。

 

ではDVDが普及したのはいつ頃なのでしょうか。これは私の感覚になってしまうのですが、プレイステーション2の発売された頃だと思います。これまたウィキペディアによるとプレイステーション2の発売は2000年で価格も専用機より安かったため、『マトリックス』のソフトと併せてDVDの普及に貢献したとあります。

また冒頭の挨拶は「姉DVD」というエロ漫画のネタなのですが、このマンガが収録されている単行本が2003年発売なので、この頃にはネタにできるくらいには普及したと考えてもいいかと思います。

また内閣府がDVDプレーヤーの統計を取り始めたのが前述のように2005年からと考えると、やはり1997年の女性の部屋の描写としては不適当だと思います。

ついでに書くとPCゲームではDVD-ROM形態がメインとなり始めるのは2004年以降ではないかと思います。『君が望む永遠』(2001)、『マブラヴ』(2003)、『Fate/stay night』(2004)はCD-ROMでの発売なので、まだPCがDVDに普及しているかメーカー側も 判断着きかねていたのではないかと思います。*1

 

とはいうものの、これは小説の欠点だとは思えません。なぜなら、この小説は『この世界の片隅に』のように90年代後半の風俗を余すところなく書くというものではないでしょうし、著者もそこに重点を置いていないでしょう。

ここで必要となるのは「90年代っぽいアイテム」であって、「90年代の正確な描写」ではないのです。つまりノスタルジーを刺激されるものなら何でもいいわけで、この小説では小沢健二、『劇エヴァ』、ジャミロクワイなどの固有名詞が出てきますが、それがブラー、オアシスなどのブリットポップ勢や『トレインスポッティング』でも問題ないのでしょう、と思ってしまうのは、私が著者より一回り年下で作中にある固有名詞に思い入れがないせいかもしれません。

 ただこのように考えると、映画『バクマン』ではジャンプ編集部でロケを行うようにディテールにこだわりそうな大根仁が絶賛するのが個人的には不可解なのですが、まぁ大人はそんな些末なところは気にしないのでしょう。それに『バクマン』しか観ていない監督のことをこういう風に書いたらいけませんね。

 

ちなみに私が初めて買ったDVDは2000年に発売された『セラフィムコール11話 「内なる世界の私」』でした。DVDプレーヤーもないのに買っていたのは我ながらはまっていたんだなぁと思うのです。プレーヤーがないのにLD-BOXも買ったしな。

 

ボクたちはみんな大人になれなかった

ボクたちはみんな大人になれなかった

 
陽はまた昇る映像メディアの世紀 (文春文庫)

陽はまた昇る映像メディアの世紀 (文春文庫)

 
セラフィムコール 第十一話「内なる世界の私」 [DVD]

セラフィムコール 第十一話「内なる世界の私」 [DVD]

 

 

*1:なお2004年発売の『CLANNAD』はDVDのみ

パ・リーグ×アイドルマスター 765 PRODUCTION DAYに行ってきた

アイドルマスター』シリーズとパ・リーグ6球団がコラボするというニュースを見た時、私には関係ないことだなぁと思っていたのですが、『アイドルマスターミリオンライブ! シアターデイズ』に嵌まってしまって、こうなった。

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というわけで、8/6の西武VSソフトバンクメットライフドームに行ってきました。西武ファンにソフトバンクファンとオタク、親子連れが入り混じる訳の分からない空間になっていました。

とりあえずパネルはこんな感じ。

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で、まずはアイマスのグッズを買いに行きます。厳しい暑さのためか列に並ぶと塩キャンディをもらいます。

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何を買ったかは内緒ということで。

試合結果についてはこちら参照。ホームランを打った山川選手すごかった。ホームランが出ると球場も盛り上がるなぁ。

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読書メーターまとめ(2017年7月)

7月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1586
ナイス数:6

近大マグロの奇跡: 完全養殖成功への32年 (新潮文庫)近大マグロの奇跡: 完全養殖成功への32年 (新潮文庫)感想
マグロというと築地でやたらとでかいのがセリに出されるという印象だったので、稚魚の時は少し傷がついただけで死んでしまうというのが衝撃だった。完全養殖までの32年を支えたのは研究者の熱意と忍耐もあるのは確かですが、「気を持って長い目でやってください」と言えるトップ、あとお金だよなぁとも思ってしまいました。読み終わると近大マグロを食べたくなります。
読了日:07月30日 著者:林 宏樹
THIS IS JAPAN――英国保育士が見た日本THIS IS JAPAN――英国保育士が見た日本感想
3章の保育園のルポ以降が肝だと感じました。子供の自主性を重んじず保育士の言うことを聞くことが重要視される保育園の雰囲気が、上意下達になってしまう社会運動、義務とセットにされてしまう人権への理解につながっているのではなかろうか、というのは深読みのしすぎかもしれませんが。それにしても経済が重要視されない左翼運動って何なんだろうかと思ってしまった。そしてこの本の横に置かれるのは西原理恵子『この世でいちばん大事な「カネ」の話』ではないかと思う。政府に対する考え方は違うだろうけど。
読了日:07月26日 著者:ブレイディ みかこ
地獄の読書録 (ちくま文庫)地獄の読書録 (ちくま文庫)感想
1960年代の主にミステリを中心とした書評集。当時たくさん訳出された本がほとんど残っていなかったりして、エンタテインメントの儚さを感じてしまいました。
読了日:07月20日 著者:小林 信彦
私の東京地図 (ちくま文庫)私の東京地図 (ちくま文庫)感想
ホテルやホテル内のレストランの記述が多いのが意外であり、面白いところだった。「そういう<血圧計がこわれても食う>精神のない者は、食い物のことなど書いてはいけないだろう」(P.107)という一文を読んで、自分はこの著者のこういうところが好きなのだなと思った。
読了日:07月11日 著者:小林 信彦
スクールセクハラ なぜ教師のわいせつ犯罪は繰り返されるのか (幻冬舎文庫)スクールセクハラ なぜ教師のわいせつ犯罪は繰り返されるのか (幻冬舎文庫)感想
学校という空間が社会から離れていること、それ故に実社会だったら問題になる行為が行われ、発覚しそうになると隠ぺいするという構図が分かったがどうにもやりきれない。特に教え子が教師になった途端、社会の常識が通じなくなるという大学教授の言葉が印象に残った。学校や教師にも問題はあるのだろうが、「生徒のために自分の時間を使う先生はいい先生だ」という考えもこうした問題を延命させているのかもしれないとも思いました。
読了日:07月05日 著者:池谷 孝司

読書メーター

読書メーターまとめ(2017年6月)

6月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1614
ナイス数:9

不況は人災です! みんなで元気になる経済学・入門(双書Zero)不況は人災です! みんなで元気になる経済学・入門(双書Zero)感想
不況はなぜ悪いのか、なぜ経済成長が必要なのか分かったが、イマイチ分からなかったところもあった。しかし「左派や労働組合が大資本家に有利な政策ばかり掲げて、働く人々の雇用拡大のニーズに応えなかったら、右派ナショナリズム勢力がその代りを担うのは歴史の常です」と書いたら本当にそうなるとは。で、今の左派がそこを改めているかというと……。
読了日:06月28日 著者:松尾 匡
経済成長って何で必要なんだろう? (SYNODOS READINGS)経済成長って何で必要なんだろう? (SYNODOS READINGS)感想
『現代ニッポン論壇事情』を読んだので、この本も読んでみたのですが、内容というか主張はほとんど同じです。ただこの本では「若者」だった人たちが「ロスジェネ」になったくらいで、経済学の知識が論壇に反映されていない等の問題が解決されていないことが浮き彫りになってしまってます。低成長、再分配の問題は解決されないといけないのですが、なぜか「低成長・みんなで負担」という主張になってしまうのはどうしてかしらん。
読了日:06月23日 著者:芹沢 一也,荻上 チキ,飯田 泰之,岡田 靖,赤木 智弘,湯浅 誠
男子の貞操: 僕らの性は、僕らが語る (ちくま新書 1067)男子の貞操: 僕らの性は、僕らが語る (ちくま新書 1067)感想
男の性が「モテ/非モテ」や「エロ」という文脈でしか語られていないという問題意識は分かるのですが、結局のところ関係性を作るのが大事という話になってしまい、出会いカフェ女子大生殺人事件の加害者のような関係性が上手く作れない人はどうするのかという疑問が残りました。まさか師匠みたいに「コミュニケーションスキルの低い男の性はどうでもいい」と考えてるんですか、と嫌みの一つでも言いたくなりますが、私が読み違えていると思いたい。
読了日:06月19日 著者:坂爪 真吾
現代ニッポン論壇事情 社会批評の30年史 (イースト新書)現代ニッポン論壇事情 社会批評の30年史 (イースト新書)感想
著名なリベラル・左派言論人が社会問題を経済問題として取り上げなかった(取り上げられなかった?)ことが分かる。自分も経済学には不勉強なので、勉強しないとなぁ。あと、この本で取り上げられてる人たちがダメダメなのは分かりきってることだろと言ってしまう人は、自分たちがタイムラインだけ見て「普通の人」を見ない左派と同じだと気付いているのかしらん。この本で批判されている言論人を支持している人は意外と多いと思うのですが、じゃあ彼らの支持者がこの本を読むかというと読まないような気がします。
読了日:06月16日 著者:北田暁大,栗原裕一郎,後藤和智
花の命はノー・フューチャー: DELUXE EDITION (ちくま文庫)花の命はノー・フューチャー: DELUXE EDITION (ちくま文庫)感想
どうしようもない人たちのどうしようもないがしぶとい生活ぶりが面白かったです。それにしても富裕層はストライキの影響を被らないが、そうでない人はモロに被るのでそのうち内戦がおこるんじゃないかとか、緊縮傾向で労働者の実質賃金が下がり職場の人と集まることがなくなったという話を読むと、経済と政治が生活に影響するということを改めて感じます。総じて面白かったのですが、何の解説にもなってない栗原康の解説は最悪。
読了日:06月12日 著者:ブレイディみかこ
妊娠小説 (ちくま文庫)妊娠小説 (ちくま文庫)感想
『文庫解説ワンダーランド』を読んで興味を持ったので読みました。デビュー作には著者の全てが現れると言いますが、意外な着目点、揚げ足取りすれすれのテキスト読解はこの時からあったのだなぁ、と。妊娠小説史も面白かったのですが、自由に読み書きをしているように思っているが、実はある決められたコードや書き方に縛られていることを書いている点で、妊娠小説の話の展開や男女の反応を分類した後半部分が大事なのではと思う次第です。
読了日:06月05日 著者:斎藤 美奈子

読書メーター

読書メーターまとめ(2017年5月)

5月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1341
ナイス数:8

戦前の生活―大日本帝国の“リアルな生活誌” (ちくま文庫)戦前の生活―大日本帝国の“リアルな生活誌” (ちくま文庫)感想
一つ一つのトピックは面白そうなのだがあっさりと次の話題になってしまうので、コンビニにある雑学本のような感じで内容が薄く感じられた。たぶん参考文献が一番役立つと思う。というか、これで税別740円は高いし、ちくま文庫でこの内容というのはちょっともやっとする。
読了日:05月30日 著者:武田 知弘
鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。感想
外来種の問題や、熱帯林の違法伐採と日本に飛来する渡り鳥の関係、キョロちゃんの生態考察から研究者がホラを吹いてしまう可能性など真面目な話をギャグや80年代のアニメやマンガを比喩にして語っていて、はっきりいって大好物。土屋賢二をほうふつとさせるという評があったが、それもうなずける1冊でした。それにしてもカールはどうするんだろう。
読了日:05月26日 著者:川上 和人
ハイスクール1968 (新潮文庫)ハイスクール1968 (新潮文庫)感想
1968年に東京教育大付属駒場高校に進学した著者の回想記。自分の高校時代との違いに驚かされる。
読了日:05月20日 著者:四方田 犬彦
君命も受けざる所あり―私の履歴書君命も受けざる所あり―私の履歴書感想
魚住昭のノンフィクションを読んでナベツネ自身はどう考えているのか知りたくて本書を取ったが、「私の履歴書」をまとめたものだからか、どこかあっさりした印象。それにしても新聞記者が政治家に食い込んで政界を動かすのはやっていいことなのかと、この手の本を読むたびに思う。
読了日:05月17日 著者:渡邉 恒雄
東京の戦争 (ちくま文庫)東京の戦争 (ちくま文庫)感想
敗戦前後を東京で過ごしていた著者の回想記。個人的には東京大空襲で亡くなった方たちを受刑者が処理した話しや電柱の話が興味深かった。あと「終戦前後、私は人間が食物を摂取しなければ生命を維持できぬことが甚だ情けなく、みじめであった」という文章を読むと、著者の最期の行動について納得させられてしまう。
読了日:05月03日 著者:吉村 昭

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