読書メーターまとめ(2019年4月)

4月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1378
ナイス数:9

1971年の悪霊 (角川新書)1971年の悪霊 (角川新書)感想
1970年代に生まれたのは何かを若者文化の考察から紐解いていく。それは「社会に対する不満」であったり「現状を破壊しようとする衝動」であったりするけど、それが実際に社会を変えたかというとそうではないという。第1章で高校の職員室を封鎖した学生と、教師と交渉し制度を変えていった学生は別だったと書いてありますが、結局のところ、何かを改善するのは折り合いをつけつつ、地味な交渉を続けることであるという話でしかないのかもしれません。
読了日:04月25日 著者:堀井 憲一郎
NHKブックス(1071) ロックを生んだアメリカ南部 ルーツミュージックの文化的背景NHKブックス(1071) ロックを生んだアメリカ南部 ルーツミュージックの文化的背景感想
プレスリーから始まりブルース、ジャズ、ゴスペル、カントリーを通ってボブ・ディランで終わる。生まれた音楽のほとんどに教会(教会音楽)が関わっており、教会を知らないとアメリカ文化や音楽を理解しえないのではと思わされた。あと純粋な「ジャズ」や「カントリー」なんてものは存在せず、文化というのは雑種なんだなぁ、と。
読了日:04月17日 著者:ジェームス・M. バーダマン,村田 薫
ロッキング・オンの時代ロッキング・オンの時代感想
ロッキング・オン創刊メンバーによる回想記。この手の話は恨みつらみに満ちたドロドロしたものになりそうですが(偏見か)、著者が年を取って丸くなったのか、もともとそういう性分なのか、サラッとしていて読みやすくもあり、そこが物足りなくもあり。同じく創刊メンバーの岩谷宏氏がロッキング・オンを離れてからパソコンに向かったというのは、カウンターカルチャーとPC文化のつながりを感じさせる。しかしこうなると渋谷陽一が書いた回想録を読みたくなるが、書かないんだろうなぁ。
読了日:04月10日 著者:橘川幸夫
コラムは歌う―エンタテインメント評判記 1960~63 (ちくま文庫)コラムは歌う―エンタテインメント評判記 1960~63 (ちくま文庫)感想
1960年~1963年に書かれた映画評やテレビ評をまとめたもの。個々の作品についてはともかく、「"さんざん世話になり、売り出してもらっておきながらフリーとは何ごとぞ""ようし、もうあいつ、村八分だ"というせまいリョウケンである」(P.470)という文章だったり、エロを巡る検閲の問題だったり、現在でも同じような問題があって、同じようなことを言っている人がいることを考えると、何も変わってないのだなぁと思ってしまう。
読了日:04月05日 著者:小林 信彦

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